N1 7日目

山頂は遠く

登山と体力の話を通して、「〜はおろか」と「〜もさることながら」を学びます。「Aはもちろん、もっと簡単なBも〜ない」と強く言う表現と、「Aも大事だが、Bはもっと大事だ」と言う表現が使えるようになります。

約25分 · ことば8語 · 文法 · 読む · クイズ

今日のことば

衰える

おとろえる

to weaken; to decline

年としをとって、目めが少すこし衰おとろえてきた。

持久力

じきゅうりょく

stamina; endurance

毎朝まいあさジョギングを続つづけて、持久力じきゅうりょくをつけたい。

険しい

けわしい

steep; rugged

頂上ちょうじょうまでの道みちは険けわしいので、ゆっくり登のぼりましょう。

息切れ

いきぎれ

shortness of breath

駅えきの階段かいだんを上のぼっただけで息切いきぎれがする。

克服する

こくふくする

to overcome

人前ひとまえで話はなすのが苦手にがてだったが、練習れんしゅうを重かさねて克服こくふくした。

心構え

こころがまえ

mental attitude; readiness

社会人しゃかいじんとしての心構こころがまえを先輩せんぱいから教おそわった。

過酷

かこく

harsh; severe

真夏まなつの工事こうじ現場げんばは過酷かこくな環境かんきょうだ。

装備

そうび

equipment; gear

冬ふゆの山やまに登のぼるには、しっかりした装備そうびが必要ひつようだ。

今日の文法

〜はおろか

〜は言うまでもなく(〜も・〜さえ)

接続
  • N + はおろか
  • V辞書形 + の + はおろか

「XはおろかYも/さえ/まで」の形で、Xは言うまでもなく、もっと極端なYも、という意味を表します。「水も飲めない」のように否定の文が多く、話し手の驚きや不満の気持ちが入ります。肯定の文でも「国内はおろか海外でも知られている」のように使えます。後ろに命令・依頼・意志の表現は来ません。

例文

  • 忙いそがしくて、旅行りょこうはおろか、近ちかくの公園こうえんを散歩さんぽする時間じかんさえない。

  • 引ひっ越こしたばかりで、近所きんじょの人ひとの名前なまえはおろか、顔かおもまだ分わからない。

くわしい説明とクイズ →

〜もさることながら

〜ももちろんだが、それ以上に

接続
  • N + もさることながら

「XもさることながらY」の形で、「Xももちろん大切・すばらしいが、Yはそれ以上だ」と、後ろのYを強調します。Xを否定するのではなく、Xも認めたうえでYに注目させる表現です。よい評価の文によく使われ、改まった話や文章で使います。

例文

  • このレストランは、料理りょうりの味あじもさることながら、店員てんいんの心こころのこもったサービスがすばらしい。

  • 留学りゅうがくでは、語学ごがくの上達じょうたつもさることながら、異ことなる文化ぶんかに触ふれる経験けいけんが大切たいせつだ。

くわしい説明とクイズ →

読む

十年ぶりの山

先日せんじつ、学生がくせい時代じだいの友人ゆうじんに誘さそわれて、十年じゅうねんぶりに山やまに登のぼった。

昔むかしはよく登のぼっていたが、久ひさしぶりなので靴くつもザックも新あたらしく買かい、装備そうびだけは一流いちりゅうのものをそろえて出でかけた。

ところが、歩あるき始はじめて三十分さんじっぷんもすると息切いきぎれがひどくなり、足あしが前まえに出でなくなった。

道みちは思おもっていたより険けわしく、頂上ちょうじょうはおろか、中腹ちゅうふくの休憩所きゅうけいじょにさえなかなか着つかない。

その日ひは気温きおんも高たかく、坂さかの多おおい道みちは予想よそう以上いじょうに過酷かこくだった。

体力たいりょくが衰おとろえたことは分わかっていたが、持久力じきゅうりょくがここまで落おちているとは思おもわなかった。

一方いっぽう、友人ゆうじんは古ふるい靴くつを履はいているのに、楽たのしそうに私わたしの前まえを歩あるいていく。

「どうしてそんなに平気へいきなの」と聞きくと、友人ゆうじんは「急いそがないこと。それだけ」と笑わらった。

友人ゆうじんによると、登山とざんでは装備そうびもさることながら、自分じぶんのペースを守まもるという心構こころがまえが大切たいせつなのだそうだ。

確たしかに私わたしは、昔むかしの自分じぶんと比くらべて焦あせり、最初さいしょから速はやく歩あるきすぎていた。

ゆっくり歩あるくようにすると息いきも落おち着つき、苦手にがてだった坂さかも少すこしずつ克服こくふくできた。

結局けっきょく頂上ちょうじょうには行いけなかったが、次つぎは道具どうぐをそろえるより先さきに、ゆっくり歩あるく練習れんしゅうをしようと思おもう。

内容のかくにん

R1筆者ひっしゃが今回こんかいの登山とざんで気きづいたことは何なんか。

答えと解説

答え: 3 装備そうびだけでなく、自分じぶんのペースを守まもる心構こころがまえが大切たいせつなこと

友人が「装備もさることながら、自分のペースを守るという心構えが大切だ」と言い、筆者もゆっくり歩くと坂を克服できました。古い靴のほうが歩きやすいとは書かれていません。

R2「頂上ちょうじょうはおろか、中腹ちゅうふくの休憩所きゅうけいじょにさえなかなか着つかない」とは、どういうことか。

答えと解説

答え: 2 頂上ちょうじょうはもちろん、もっと手前てまえの休憩所きゅうけいじょに着つくのも大変たいへんだった。

「AはおろかBさえ〜ない」は「Aはもちろん、もっと簡単なBも〜ない」という意味です。中腹の休憩所は頂上より近いのに、そこに着くのも大変だったということです。

クイズ

1年としをとると筋肉きんにくが(  )のは自然しぜんなことだが、運動うんどうを続つづければ遅おくらせることができる。

答えと解説

答え: 2 衰おとろえる

「衰える」は力や働きが弱くなることです。運動で「遅らせる」ことができるのは、筋肉が弱くなることです。「鍛える」は強くすることなので合いません。

2マラソンのような長ながい距離きょりを走はしるには、スピードより(  )が必要ひつようだ。

答えと解説

答え: 4 持久力じきゅうりょく

「持久力」は長い時間、力を出し続けられる力です。長い距離を走るのに必要なのは持久力です。「瞬発力」は短い時間に一気に力を出す力で、スピードに近いものです。

3雪ゆきの中なかの調査ちょうさは、気温きおんが零下れいか二十度にじゅうどにもなる(  )なものだった。

答えと解説

答え: 1 過酷かこく

「過酷」は、がまんするのが難しいほど厳しいという意味です。零下二十度の中の調査に合うのは「過酷」です。「素朴」は飾り気がないという意味で合いません。

4仕事しごとが忙いそがしくて、旅行りょこう(  )、近所きんじょの公園こうえんに行いく時間じかんもない。

答えと解説

答え: 3 はおろか

「AはおろかBも〜ない」で「Aはもちろん、もっと簡単なBもできない」という意味です。旅行はもちろん、近くの公園にも行けないという文なので「はおろか」です。

5この店みせは、料理りょうりの味あじ(  )、店員てんいんの温あたたかいもてなしで評判ひょうばんだ。

答えと解説

答え: 2 もさることながら

「Aもさることながら、B」は「Aももちろんいいが、Bはさらに」という意味です。味もいいが、もてなしも評判だという文なので「もさることながら」です。「はおろか」は後ろに否定の内容が来るのがふつうです。

6「はおろか」の使つかい方かたが正ただしい文ぶんはどれか。

答えと解説

答え: 4 足あしをけがして、走はしることはおろか、歩あるくこともできない。

「はおろか」は「Aはもちろん、Bも〜ない」のように、程度の違う二つを並べて使います。4は走ることはもちろん、もっと簡単な歩くこともできないという意味で正しいです。2のような依頼の文には使えません。

7この先さきは険しい道みちが続つづくので、注意ちゅういしてください。

答えと解説

答え: 3 けわしい

「険しい」は「けわしい」と読みます。山や道の傾きが急なことです。「きびしい」は「厳しい」と書きます。

8長ながい坂さかを上のぼったら、ひどいいきぎれがした。

答えと解説

答え: 1 息切れ

「いきぎれ」は「息切れ」と書きます。息が切れる、つまり呼吸が苦しくなることです。

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