N1 20日目

勝つためなら?

スポーツと倫理をテーマに、「〜んがため」(何としても〜しようとして)と「〜まじき」(〜としてしてはいけない)を学びます。新聞のコラムを読んで、筆者の考えをつかみましょう。

約25分 · ことば8語 · 文法 · 読む · クイズ

今日のことば

不正

ふせい

dishonesty, cheating, injustice

試験しけんで不正ふせいをした学生がくせいは失格しっかくになった。

倫理

りんり

ethics, morals

研究者けんきゅうしゃには高たかい倫理りんりが求もとめられる。

品位

ひんい

dignity, grace

彼かれの話はなし方かたには品位ひんいが感かんじられる。

欺く

あざむく

to deceive

監督かんとくは相手あいてを欺あざむかんがため、作戦さくせんを味方みかたにも秘密ひみつにした。

潔い

いさぎよい

graceful, honorable (accepting without excuses)

彼かれは言いい訳わけをせず、潔いさぎよく負まけを認みとめた。

規範

きはん

norm, standard

社会しゃかいの規範きはんは、時代じだいとともに変かわっていく。

至上

しじょう

supreme, above all else

この店みせは客きゃくの満足まんぞくを至上しじょうの目標もくひょうとしている。

誇り

ほこり

pride

父ちちは職人しょくにんとしての誇ほこりを持もって働はたらいている。

今日の文法

〜んがため

何としても〜しようとして

接続
  • Vない形(「ない」をとる) + んがため(に)
  • Vない形(「ない」をとる) + んがための + N
  • する → せんがため
  • 来る → 来(こ)んがため

「どうしても〜しようとして」という強い目的を表す、古い言い方が残った硬い書き言葉です。動詞のない形から「ない」をとって「ん」を付けます(例: 勝たんがため、知らんがため)。「する」は「せんがため」になります。名詞を修飾するときは「〜んがための N」です。目的のために無理をしている、という感じが出ることもあります。

例文

  • 夢ゆめを実現じつげんせんがため、彼かれはすべてを捨すてて研究けんきゅうに打うち込こんだ。

  • 生いき残のこらんがために、その会社かいしゃは大胆だいたんな改革かいかくを行おこなった。

くわしい説明とクイズ →

〜まじき

〜としてしてはならない(N)

接続
  • V辞書形 + まじき + N
  • する → するまじき / すまじき + N
  • N + に / として + あるまじき + N

「〜してはならない」「〜として許されない」という意味の非常に硬い表現で、後ろに必ず名詞(行為・態度・発言など)が来ます。特に「教師にあるまじき行為」「プロとしてあるまじき態度」のように、「N(立場)に/としてあるまじき N」の形で、その立場の人がするべきではないことを強く批判するときに使います。

例文

  • 生徒せいとの答案とうあんを電車でんしゃに置おき忘わすれるとは、教師きょうしにあるまじき行為こういだ。

  • 客きゃくに対たいして失礼しつれいな言葉ことばを使つかうのは、店員てんいんとしてあるまじき態度たいどだ。

くわしい説明とクイズ →

読む

コラム「小さな選手の大きな一歩」

勝かたんがために審判しんぱんを欺あざむく。プロの試合しあいでは、そんな場面ばめんを時々ときどき目めにする。

わざと倒たおれて反則はんそくをもらうような不正ふせいは、選手せんしゅにあるまじき行為こういだ。

ところが先日せんじつ、近所きんじょの小学生しょうがくせいのサッカー大会たいかいで、思おもわぬ光景こうけいを見みた。

決勝点けっしょうてんが入はいった直後ちょくご、点てんを決きめた少年しょうねんが審判しんぱんのところへ走はしっていき、「ボールが手てに当あたりました」と申もうし出でたのだ。

点てんは取とり消けされ、試合しあいは引ひき分わけに終おわった。

黙だまっていれば、誰だれにも気きづかれなかっただろう。それでも自分じぶんから認みとめた潔いさぎよい態度たいどに、両りょうチームの親おやたちから拍手はくしゅが起おこった。

勝利しょうり至上しじょうの考かんがえ方かたは、ときに倫理りんりを忘わすれさせる。

しかし、ルールという規範きはんがあればこそ、スポーツは面白おもしろいのではないか。

勝かつことは大切たいせつだが、品位ひんいを失うしなってまで勝かつ必要ひつようはない。

試合しあいの後あと、あの少年しょうねんは「負まけてないから、まあいいか」と笑わらっていたそうだ。彼かれの誇ほこりは、どんな優勝ゆうしょうカップよりも輝かがやいて見みえた。

内容のかくにん

R1少年しょうねんは試合しあいで何なにをしたか。

答えと解説

答え: 2 自分じぶんの手てにボールが当あたったことを審判しんぱんに伝つたえた

4 行目に、点を決めた少年が「ボールが手に当たりました」と審判に申し出たとあります。1 はプロの試合で見る不正の例で、少年がしたことではありません。

R2筆者ひっしゃの考かんがえに合あうのはどれか。

答えと解説

答え: 4 品位ひんいを失うしなってまで勝かとうとするべきではない

9 行目に「品位を失ってまで勝つ必要はない」とあります。1 は筆者の考えと反対です。2 と 3 は本文に書かれていません。

クイズ

1言いい訳わけをせずに自分じぶんのミスを認みとめる姿すがたは(  )。

答えと解説

答え: 2 潔いさぎよい

「潔い」は、言い訳をしたりごまかしたりせず、さっぱりしている様子です。「慌ただしい」は忙しくて落ち着かない様子、「険しい」は山道や表情がきびしい様子、「肌寒い」は少し寒い様子で、人の態度には合いません。

2社員しゃいんの個人こじん情報じょうほうを外そとに漏もらすなど、会社員かいしゃいんに(  )ことだ。

答えと解説

答え: 1 あるまじき

「Nにあるまじき」は「Nとして、してはいけない」という意味で、後ろに名詞が来ます。「あるべく」は目的、「ある手前」は体面を表し、意味が合いません。「あるまい」は文末に使う形で、名詞の前には来ません。

3医師いしには、命いのちを扱あつかう仕事しごとにふさわしい高たかい(  )が求もとめられる。

答えと解説

答え: 3 倫理りんり

「倫理」は、人として守るべき正しい考え方です。命を扱う医師には高い倫理が必要です。「至上」は「この上ない」という意味で名詞を修飾して使い、「不正」「誤差」は求められるものではありません。

4試験しけんに合格ごうかくせ(  )、彼女かのじょは毎日まいにち十時間じゅうじかん勉強べんきょうした。

答えと解説

答え: 4 んがために

「Vない形+んがため」は「どうしても〜しようとして」という意味で、「する」は「せんがため」になります。「べく」なら「合格すべく」です。「まじき」は後ろに名詞が必要で、「ならでは」は動詞につきません。

5選手せんしゅとしての誇りを忘わすれないでほしい。

答えと解説

答え: 1 ほこり

「誇り」は「ほこり」と読みます。自分や自分の仕事をりっぱだと思う気持ちです。

6うその情報じょうほうで客きゃくを(  )ような商売しょうばいは、長ながく続つづかない。

答えと解説

答え: 4 欺あざむく

「欺く」は、うそで人をだますことです。「挑む」は戦いや難しいことに向かっていくこと、「惜しむ」は残念に思うこと、「継ぐ」は仕事などを引き継ぐことで、「うその情報で客を」に合いません。

7教師きょうしが生徒せいとの前まえで平気へいきでうそをつくなど、許ゆるす(  )ことだ。

答えと解説

答え: 2 まじき

「V辞書形+まじき+N」は「〜してはいけない(N)」という意味です。「許すまじきこと」で「許してはいけないこと」になります。ほかの選択肢は「こと」の前に来る形として不自然です。

8審判しんぱんをあざむく行為こういは許ゆるされない。

答えと解説

答え: 3 欺く

「あざむく」は「欺く」と書きます。「斯」「期」「棋」は形が似ていますが、別の字です。

JLPT単語7,500語以上を、カード・音声・間隔反復でおぼえるなら無料アプリのJapatan

App Storeでダウンロード