N1 19日目

言ったからには

町のごみ削減をテーマに、「〜手前」(言った以上、引っ込みがつかない)と「〜べく」(〜するために・書き言葉)を学びます。人前で宣言した町内会長の奮闘を読みましょう。

約25分 · ことば8語 · 文法 · 読む · クイズ

今日のことば

削減

さくげん

reduction, cut

会社かいしゃは経費けいひを二割にわり削減さくげんした。

啓発

けいはつ

raising awareness, enlightenment

市しは節水せっすいの啓発けいはつのために、ポスターを作つくった。

呼びかける

よびかける

to call on, to appeal to

駅員えきいんが乗客じょうきゃくに注意ちゅういを呼よびかけている。

率先

そっせん

taking the lead, setting an example

店長てんちょうは毎朝まいあさ率先そっせんして店みせの前まえを掃除そうじしている。

公言する

こうげんする

to declare publicly

優勝ゆうしょうすると公言こうげんした手前てまえ、負まけるわけにはいかない。

抑制

よくせい

control, restraint, suppression

町まちは騒音そうおんを抑制よくせいするため、夜よるの工事こうじを禁止きんしした。

廃棄

はいき

disposal, throwing away

売うれ残のこったパンを廃棄はいきせずにすむ方法ほうほうを考かんがえた。

取り組み

とりくみ

effort, initiative

学校がっこうの節電せつでんの取とり組くみが新聞しんぶんで紹介しょうかいされた。

今日の文法

〜手前

〜した立場上・〜の前で体面があるので

接続
  • V辞書形 + 手前
  • Vた形 + 手前
  • Vている + 手前
  • N + の + 手前

「〜と言った/〜した立場があるので」「〜の前なので」という意味で、自分の面子や立場を守るために、後ろのことをしなければならない(しないわけにはいかない)気持ちを表します。後ろには「〜わけにはいかない」「〜しかない」「〜なければならない」などがよく来ます。「子どもの手前」のように、人の前で恥ずかしいことはできない、という場合にも使います。

例文

  • 自分じぶんから手伝てつだうと言いった手前てまえ、今いまさら断ことわるわけにはいかない。

  • 子こどもの手前てまえ、親おやが信号しんごうを無視むしするわけにはいかない。

くわしい説明とクイズ →

〜べく

〜しようと思って・〜するために

接続
  • V辞書形 + べく
  • する → するべく / すべく

「〜しようと思って」「〜するために」という目的を表す硬い書き言葉です。前には意志的な動作を表す動詞の辞書形が来て、「する」は「すべく」の形もよく使います。主語が自分の意志で何かをする文に使い、後ろに依頼・命令・誘いは来ません。ニュースや報告文、小説などで見られます。

例文

  • 留学りゅうがくの費用ひようを貯ためるべく、彼かれは毎晩まいばんアルバイトをしている。

  • 新あたらしい市場しじょうを開拓かいたくすべく、社長しゃちょう自みずから海外かいがいへ向むかった。

くわしい説明とクイズ →

読む

会長の宣言

「今年ことしこそ、町まちのごみを半分はんぶんにします」。春はるの集あつまりで、町内会長ちょうないかいちょうの田中たなかさんはそう公言こうげんした。

みんなの前まえで言いった手前てまえ、まずは自分じぶんが率先そっせんして動うごかなければならない。

田中たなかさんは目標もくひょうを達成たっせいすべく、毎朝まいあさごみ置おき場ばに立たって、住民じゅうみんに分別ぶんべつを呼よびかけ始はじめた。

啓発けいはつのためのポスターも手作てづくりして、町まちの掲示板けいじばんに貼はった。

ごみの量りょうを抑制よくせいするには、食たべ物ものの廃棄はいきを減へらすことも大切たいせつだ。そこで「買かいすぎない・作つくりすぎない」という取とり組くみも紹介しょうかいした。

三さんか月後げつご、町まちのごみは三割さんわり削減さくげんされた。

ところが、ごみ袋ぶくろが前まえより大おおきくなった家いえが一軒いっけんだけあった。田中たなかさんの家いえだ。

何枚なんまいも書かき直なおしたポスターの紙かみくずが、山やまのようにたまっていたのだ。

孫まごに「おじいちゃんの家いえが一番いちばんごみを出だしてるよ」と言いわれ、田中たなかさんは頭あたまをかいた。

今度こんどこそ家いえのごみも減へらすべく、次つぎのお知しらせは町まちのホームページに載のせることにしたそうだ。

内容のかくにん

R1田中たなかさんが毎朝まいあさごみ置おき場ばに立たったのは、なぜか。

答えと解説

答え: 2 町まちのごみを半分はんぶんにするという目標もくひょうを達成たっせいするため

3 行目に「目標を達成すべく、毎朝ごみ置き場に立って」とあります。目標は 1 行目の「町のごみを半分にします」です。

R2田中たなかさんの家いえのごみが増ふえたのは、なぜか。

答えと解説

答え: 4 ポスターを何枚なんまいも書かき直なおしたから

8 行目に「何枚も書き直したポスターの紙くずが、山のようにたまっていた」とあります。ごみを減らす活動のせいで、自分の家のごみが増えたのがオチです。

クイズ

1電気でんきの使用量しようりょうを(  )するため、夜よるは照明しょうめいを半分はんぶんにしている。

答えと解説

答え: 3 抑制よくせい

「抑制する」は、増えすぎないようにおさえることです。使用量をおさえるので 3 です。「啓発」は人に気づかせること、「公言」は人前で言うこと、「率先」は先に立って行うことで、「使用量を〜する」とは言いません。

2みんなの前まえで「毎日まいにち走はしる」と言いった(  )、雨あめの日ひでも休やすむわけにはいかない。

答えと解説

答え: 2 手前てまえ

「V普通形+手前」は「〜した以上、人の目があるので引っ込みがつかない」という意味です。「べく」は辞書形につき、目的を表します。「をもって」は動詞に直接つきません。「が早いか」は「〜するとすぐ」で、意味が合いません。

3市しは駅前えきまえで、自転車じてんしゃを決きめられた場所ばしょに止とめるよう住民じゅうみんに(  )。

答えと解説

答え: 1 呼よびかけた

「人に〜するよう呼びかける」は、人に行動をお願いすることです。「抑制」「廃棄」「削減」は物や量に使う語で、「住民に〜するよう」とは結びつきません。

4自分じぶんの店みせを(  )、兄あには毎晩まいばんパン作づくりの練習れんしゅうをしている。

答えと解説

答え: 4 開ひらくべく

「べく」は動詞の辞書形につきます(「する」は「すべく」)。た形や意向形にはつきません。「開くべき」は後ろに名詞か「だ」が必要なので、ここでは使えません。

5古ふるくなった机つくえを廃棄した。

答えと解説

答え: 2 はいき

「廃棄」は「はいき」と読みます。いらなくなった物を捨てることです。

6部長ぶちょうが(  )して休やすみを取とるので、部下ぶかも休やすみやすくなった。

答えと解説

答え: 4 率先そっせん

「率先して〜する」は、人より先に自分から行うことです。部長が先に休むので、部下も休みやすくなりました。ほかの語は「〜して休みを取る」の形で使えません。

7子こどもの(  )、親おやが赤信号あかしんごうで道みちを渡わたるわけにはいかない。

答えと解説

答え: 3 手前てまえ

「Nの手前」は「〜が見ているので、体面上」という意味です。子どもが見ているので、親はルールを破れません。「べく」「ならでは」は「の」の後に来ず、「をよそに」は「の」なしで名詞につくので、文の形が合いません。

8会社かいしゃは紙かみの使用量しようりょうをさくげんする目標もくひょうを立たてた。

答えと解説

答え: 1 削減

「さくげん」は「削減」と書きます。「削る」と「減る」で、量を減らすことです。

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