N1 22日目

値上げの波

物価や地域経済のニュースでよく使うことばを覚えます。「〜を余儀なくされる」「〜ずにはおかない」で、やむを得ない決定とその影響を表せるようになります。

約25分 · ことば8語 · 文法 · 読む · クイズ

今日のことば

撤退

てったい

withdrawal, pulling out

売うり上あげが伸のびず、その会社かいしゃは海外かいがい市場しじょうからの撤退てったいを決きめた。

縮小

しゅくしょう

reduction, scaling down

人手ひとで不足ぶそくのため、駅前えきまえの店みせは営業えいぎょう時間じかんを縮小しゅくしょうした。

高騰

こうとう

sharp rise (in prices)

小麦こむぎの値段ねだんが高騰こうとうし、パンの値上ねあげが相次あいついでいる。

打撃

だげき

blow, damage

長雨ながあめは野菜やさい農家のうかに大おおきな打撃だげきを与あたえた。

波紋

はもん

ripple; repercussions

社長しゃちょうの突然とつぜんの発言はつげんが、社内しゃないに波紋はもんを広ひろげた。

余波

よは

aftermath, after-effects

燃料費ねんりょうひ高騰こうとうの余波よはは、町まちの銭湯せんとうにも及およんでいる。

是正

ぜせい

correction, putting right

地域ちいきによる料金りょうきんの差さを是正ぜせいする必要ひつようがある。

物議

ぶつぎ

public controversy (物議を醸す: to cause controversy)

新あたらしいロゴは「地味じみすぎる」と物議ぶつぎを醸かもした。

今日の文法

〜を余儀なくされる

ほかに方法がなく、しかたなく〜することになる

接続
  • N + を余儀なくされる(中止・延期・変更・入院 など)
  • V辞書形 + ことを余儀なくされる
  • (原因) が (人) に N + を余儀なくさせる

自然や社会の事情など、自分の力ではどうにもならない理由で、望まないことをしかたなくする、という意味です。前には「中止」「延期」「変更」「転職」のような動作を表す名詞が来ます。原因を主語にして「台風が予定の変更を余儀なくさせた」のように「〜を余儀なくさせる」の形も使います。ニュースや論説などで使うかたい表現です。

例文

  • 大雨おおあめのため、試合しあいは 延期えんきを余儀よぎなくされた。

  • 工場こうじょうの閉鎖へいさで、多おおくの社員しゃいんが 転職てんしょくを余儀よぎなくされた。

くわしい説明とクイズ →

〜ずにはおかない

必ず〜という結果を起こす/必ず〜してやる

接続
  • Vない形 + ずにはおかない
  • する → せずにはおかない

用法は二つあります。①物事が自然に人の気持ちや状況に影響を与え、必ずある結果を起こす、という意味。「感動させずにはおかない」「議論を呼ばずにはおかない」のように使役形や「呼ぶ」「もたらす」などとよく使います。②話し手の「必ず〜する」という強い意志を表す用法。「真相を明らかにせずにはおかない」のように使います。どちらもかたい書き言葉です。

例文

  • この映画えいがの結末けつまつは、見みる人ひとを 感動かんどうさせずにはおかない。

  • 彼女かのじょの率直そっちょくな発言はつげんは、会議かいぎで議論ぎろんを 呼よばずにはおかないだろう。

くわしい説明とクイズ →

読む

せんべい工場こうじょうの決断けつだん

県内けんないで六十年ろくじゅうねん続つづく食品しょくひんメーカー「みどり製菓せいか」が、今月こんげつ、事業じぎょうの縮小しゅくしょうを発表はっぴょうした。

米こめや油あぶらなどの原材料げんざいりょうの価格かかくが高騰こうとうし、看板かんばん商品しょうひんの醤油しょうゆせんべいは、作つくれば作つくるほど赤字あかじになる状態じょうたいだったという。

同社どうしゃは、東京とうきょうの百貨店ひゃっかてんからの撤退てったいと、工場こうじょうの生産せいさんラインの半減はんげんを余儀よぎなくされた。

昨年さくねんの値上ねあげの際さいには、「一枚いちまい五十円ごじゅうえんは高たかすぎる」とネットで物議ぶつぎを醸かもしたばかりだった。

この決定けっていは、地域ちいき経済けいざいに波紋はもんを広ひろげずにはおかないだろう。

同社どうしゃに米こめを納おさめる農家のうかや、包装ほうそうを請うけ負おう印刷所いんさつじょにとって、注文ちゅうもんの減少げんしょうは大おおきな打撃だげきとなる。

地元じもとの商工会しょうこうかいは、大手おおてスーパーに取引とりひき価格かかくの是正ぜせいを求もとめていく方針ほうしんだ。

ところが、余波よはは思おもわぬ形かたちでも現あらわれた。

縮小しゅくしょうのニュースが流ながれるや否いなや、工場こうじょうの直売所ちょくばいじょに客きゃくが押おし寄よせたのだ。

お目当めあては、形かたちが悪わるくて商品しょうひんにならない「割われせんべい」の袋詰ふくろづめだ。一袋ひとふくろ二百円にひゃくえんで、朝あさ九時くじの開店かいてんから一時間いちじかんで売うり切きれた。

社長しゃちょうは「まさか割われたせんべいに助たすけられるなんて」と苦笑くしょうしつつ、来月らいげつから販売はんばい量りょうを倍ばいにするそうだ。

内容のかくにん

R1みどり製菓せいかが事業じぎょうを縮小しゅくしょうした主おもな理由りゆうは何なにか。

答えと解説

答え: 2 原材料げんざいりょうの価格かかくが大おおきく上あがったから

2 行目に「原材料の価格が高騰し、…作れば作るほど赤字になる状態だった」とあります。ネットの批判は昨年の値上げのときの話で、縮小の理由ではありません。

R2「余波よはは思おもわぬ形かたちでも現あらわれた」とあるが、どういうことか。

答えと解説

答え: 4 ニュースを知しった客きゃくが直売所ちょくばいじょに集あつまり、割われせんべいがすぐ売うり切きれた。

続く文に「ニュースが流れるや否や、工場の直売所に客が押し寄せた」「一時間で売り切れた」とあります。縮小の知らせが、思いがけず客を呼んだということです。

クイズ

1円安えんやすの影響えいきょうで輸入品ゆにゅうひんの価格かかくが(  )し、家計かけいを苦くるしめている。

答えと解説

答え: 1 高騰こうとう

「高騰する」は値段が急に大きく上がることです。「撤退」「是正」は価格が主語になりません。「波紋」は「波紋を広げる」の形で使います。

2利益りえきの出でない地方ちほうの店みせから(  )し、都市部としぶに力ちからを集中しゅうちゅうさせる。

答えと解説

答え: 3 撤退てったい

「〜から撤退する」で、店や市場などから引き上げることを表します。ほかの語は「〜から(  )する」の形になりません。

3社長しゃちょうのSNSでの発言はつげんが(  )を醸かもし、会社かいしゃは謝罪しゃざいに追おい込こまれた。

答えと解説

答え: 2 物議ぶつぎ

「物議を醸す」は、多くの人の議論や批判を引き起こすという決まった言い方です。「余波」「打撃」は「醸す」と一緒に使いません。

4大雪おおゆきのため、バスは運行うんこうの中止ちゅうしを(  )。

答えと解説

答え: 4 余儀よぎなくされた

「Nを余儀なくされる」で「やむを得ずNをすることになる」という意味です。主語はバス(中止させられる側)なので受け身の「された」が正しいです。「余儀なくさせる」は原因が主語のときに使います。

5この映画えいがの意外いがいな結末けつまつは、見みる人ひとを驚おどろかせ(  )。

答えと解説

答え: 3 ずにはおかない

「Vずにはおかない」は「必ず〜させる・自然にそうなる」という意味で、物や出来事が人の心を動かすときによく使います。「意外な結末」なので「必ず驚かせる」が合います。

6その会社かいしゃは __ __ _★_ __ を余儀よぎなくされた。

答えと解説

答え: 1 事業じぎょうの

正しい順番は 4→3→1→2 で、「その会社は原材料費の高騰により事業の縮小を余儀なくされた」となります。★に入るのは「事業の」です。

7会社かいしゃは男女だんじょの給料きゅうりょうの差さを是正することにした。

答えと解説

答え: 4 ぜせい

「是正」は「ぜせい」と読みます。間違いや不公平を正しく直すことです。

8その発言はつげんは社内しゃないに大おおきなはもんを広ひろげた。

答えと解説

答え: 2 波紋

「はもん」は「波紋」と書きます。水面に広がる輪のことで、出来事の影響が周りに広がることも表します。

JLPT単語7,500語以上を、カード・音声・間隔反復でおぼえるなら無料アプリのJapatan

App Storeでダウンロード