N1 14日目

春はまだ先?

季節の変わり目の随筆を読みながら、「〜ながらも」「〜と思いきや」で、予想と違うことや意外な事実を表せるようになりましょう。

約25分 · ことば8語 · 文法 · 読む · クイズ

今日のことば

兆し

きざし

sign, omen

景気けいきに回復かいふくの兆きざしが見みえてきた。

和らぐ

やわらぐ

to ease, to soften

薬くすりを飲のんだら、頭あたまの痛いたみが和やわらいだ。

冷え込む

ひえこむ

to get very cold

今夜こんやは冷ひえ込こむそうなので、毛布もうふを一枚いちまい増ふやそう。

一転

いってん

complete change, turnaround

午前中ごぜんちゅうは雨あめだったが、午後ごごは一転いってんして青空あおぞらが広ひろがった。

束の間

つかのま

brief moment

仕事しごとの合間あいまに、束つかの間まの休やすみを楽たのしんだ。

拍子抜け

ひょうしぬけ

letdown, anticlimax

難むずかしいと聞きいていた試験しけんが簡単かんたんで、拍子抜ひょうしぬけした。

肌寒い

はださむい

chilly

夕方ゆうがたになると肌寒はださむいので、上着うわぎを持もっていこう。

待ちわびる

まちわびる

to wait impatiently, to long for

子こどもたちは夏休なつやすみを待まちわびている。

今日の文法

〜ながらも

〜けれども、〜のに

接続
  • Vます形 + ながらも
  • いA + ながらも
  • なA + ながらも
  • N + ながらも

「AながらもB」は、「Aという状態なのに、それと合わないBだ」という逆接の意味です。「ながら」だけでも逆接になりますが、「も」が付くと逆接の意味がはっきりします。前と後ろの主語は同じことが多く、Aには状態を表す語(狭い、不便、子ども、知っている など)が来ます。「狭いながらも楽しい我が家」のように、マイナスの点を認めながらプラスの面を述べる文によく使われます。

例文

  • 狭せまいながらも、自分じぶんの家いえを持もてたことがうれしい。

  • 彼かれは文句もんくを言いいながらも、最後さいごまで手伝てつだってくれた。

くわしい説明とクイズ →

〜と思いきや

〜と思ったが、意外にも実際は違った

接続
  • 普通形 + と思いきや
  • V普通形 + かと思いきや
  • いA + かと思いきや
  • なA + かと思いきや
  • N + かと思いきや

「Aと思いきや、B」は、「Aだと思ったが、実際は予想と違ってBだった」という意外な気持ちを表します。後ろには予想と反対の結果が来るので、文はふつう過去形の事実で終わります。「〜かと思いきや」の形もよく使われます。少し古風で、書き言葉や軽い驚きを伝える文章で使われます。

例文

  • 試験しけんは難むずかしいと思おもいきや、意外いがいに簡単かんたんだった。

  • 雨あめがやんだと思おもいきや、すぐにまた降ふり出だした。

くわしい説明とクイズ →

読む

雪の中のつぼみ

三月さんがつに入はいって、寒さむさがようやく和やわらいできた。

コートなしで出でかけられる日ひも増ふえ、春はるを待まちわびていた私わたしは心こころが弾はずんだ。

ところが、このまま暖あたたかくなると思おもいきや、今朝けさは一転いってんして厳きびしく冷ひえ込こんだ。

窓まどを開あけると、庭にわがうっすらと白しろくなっている。

あの暖あたたかさは束つかの間まのことだったのかと、私わたしはがっかりした。

しまったばかりの厚あついコートをまた出だして、覚悟かくごを決きめて外そとに出でた。

しかし、風かぜがなかったからか思おもったほど寒さむくはなく、少すこし拍子抜ひょうしぬけした。

駅えきへ向むかう途中とちゅうの公園こうえんで、ふと桜さくらの枝えだが目めに留とまった。

雪ゆきをかぶりながらも、小ちいさなつぼみがしっかりとふくらんでいたのだ。

寒さむい朝あさでも、木きはちゃんと春はるの兆きざしを見みせてくれている。

その日ひは昼ひるになっても肌寒はださむかったが、私わたしの足取あしどりはなぜか軽かるかった。

内容のかくにん

R1「少すこし拍子抜ひょうしぬけした」とあるが、なぜか。

答えと解説

答え: 3 寒さむさを覚悟かくごして出でたのに、思おもったほど寒さむくなかったから

7 行目に「風がなかったからか思ったほど寒くはなく、少し拍子抜けした」とあります。厚いコートで覚悟して出たのに、寒さがそれほどでもなかったのです。2 は 5 行目でがっかりした理由で、拍子抜けの理由ではありません。

R2筆者ひっしゃが公園こうえんで見みつけたものは何なにか。

答えと解説

答え: 2 雪ゆきをかぶってもふくらんでいる桜さくらのつぼみ

9 行目に「雪をかぶりながらも、小さなつぼみがしっかりとふくらんでいた」とあります。花はまだ咲いていないので 1 は違います。

クイズ

1長ながい冬ふゆが終おわり、町まちのあちこちに春はるの(  )が見みえてきた。

答えと解説

答え: 2 兆きざし

「春の兆し」は「春が来ることを感じさせるもの」です。「見えてきた」と自然につながります。

2休やすみはたった二日ふつかで、家族かぞくと過すごせたのは(  )の時間じかんだった。

答えと解説

答え: 4 束つかの間ま

「束の間」は「とても短い間」という意味です。休みが二日しかなかったことと合います。

3春はるが近ちかづくにつれて、朝あさの寒さむさが少すこしずつ(  )。

答えと解説

答え: 1 和やわらいだ

「寒さが和らぐ」は「寒さが弱くなる」という意味です。春が近づくと暖かくなるので、「冷え込んだ」は合いません。

4彼かれは体からだが小ちいさい(  )、力ちからはチームでいちばん強つよい。

答えと解説

答え: 3 ながらも

「〜ながらも」は「〜けれども」という意味で、前と後ろが予想と反対になるときに使います。体は小さいのに力が強い、という文です。「だけあって」は「さすが〜だから当然」という意味なので逆です。

5天気てんき予報よほうでは雨あめだったので一日中いちにちじゅう降ふる(  )、昼ひるからはよく晴はれた。

答えと解説

答え: 4 と思おもいきや

「〜と思いきや」は「〜と思ったが、実際は違った」という意味です。一日中降ると思ったのに晴れた、という意外な結果を表します。

6この部屋へやは狭せまい(  )、日当ひあたりがよくて気きに入いっている。

答えと解説

答え: 1 ながらも

「狭いながらも」で「狭いけれども」という意味になります。「せいで」は悪い結果の理由、「からには」は「〜のだから当然」の意味なので合いません。

7肌寒い朝あさが続つづいている。

答えと解説

答え: 2 はださむい

「肌寒い」は「はださむい」と読みます。「さむい」は濁りません。

8春はるのきざしを感かんじる。

答えと解説

答え: 3 兆し

「きざし」は「兆し」と書きます。ほかの字は形が似ていますが、「挑む」「跳ぶ」「眺める」に使う字です。

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