接続
- N + を禁じ得ない(怒り・驚き・同情・涙・失望 など)
説明
ある出来事や様子を見聞きして、怒り・驚き・同情・涙などの気持ちが自然にわいてきて、おさえることができない、という意味です。「禁じる(おさえる)ことができない」から来た、かたい書き言葉です。前には感情を表す名詞が来ます。ふつうは話し手自身の気持ちを述べるときに使います。
例文
七十代で大学を卒業した女性の話には、驚きを禁じ得ない。
何度注意しても同じミスを繰り返す部下の態度に、怒りを禁じ得ない。
卒業式で恩師の言葉を聞き、涙を禁じ得なかった。
努力が報われなかった選手たちの姿に、同情を禁じ得ない。
注意
動作には使えません(×「笑うことを禁じ得ない」は不自然で、「笑いを禁じ得ない」とします)。話し言葉なら「〜ずにはいられない」が近い表現です。
関連する文法
ミニクイズ
1人気歌手の突然の引退には、驚きを( )。
答えと解説
答え: 3 禁じ得ない
「驚きを禁じ得ない」で「驚かずにはいられない」という意味です。「禁じられない」「禁じざるを得ない」は決まった形ではなく、「余儀なくされた」は前に感情ではなく行動の名詞が来ます。
2正しい使い方の文はどれですか。
答えと解説
答え: 1 長年の研究が否定され、失望を禁じ得なかった。
「禁じ得ない」の前には「失望」のような感情の名詞が来ます。2 は規則の「禁止」と混同しています。3 と 4 は感情ではないので使えません。
3小さな子どもが一生懸命家族を助ける姿に、( )を禁じ得なかった。
答えと解説
答え: 4 涙
心を動かされて自然に出てくるものとして「涙を禁じ得ない」が合います。「出発」「準備」は動作で、「自信」もおさえきれずにわく感情ではないので使えません。