N1 4日目

老舗ののれん

老舗や商売の歴史を語ることばを覚えます。「〜に至るまで」「〜を限りに」を使って、範囲の広さや、何かが終わる時点を改まった言い方で表せるようになります。

約25分 · ことば8語 · 文法 · 読む · クイズ

今日のことば

老舗

しにせ

long-established shop

この町まちには二百年にひゃくねん続つづく老舗しにせの酒屋さかやがある。

惜しむ

おしむ

to regret losing; to spare (effort)

多おおくのファンが選手せんしゅの引退いんたいを惜おしんだ。

常連

じょうれん

regular customer

彼かれはこの喫茶店きっさてんの常連じょうれんで、毎朝まいあさ同おなじ席せきに座すわる。

隅々

すみずみ

every corner; every nook and cranny

引ひっ越こしの前まえに、部屋へやの隅々すみずみまで掃除そうじした。

引退する

いんたいする

to retire

父ちちは今年ことしの三月さんがつを限かぎりに仕事しごとを引退いんたいした。

継ぐ

つぐ

to take over; to inherit

兄あには大学だいがくを出でてから父ちちの店みせを継ついだ。

名残

なごり

lingering trace; sadness of parting

十月じゅうがつになっても、昼間ひるまはまだ夏なつの名残なごりが感かんじられる。

手間暇

てまひま

time and effort

祖母そぼの梅干うめぼしは、手間暇てまひまをかけて作つくられている。

今日の文法

〜に至るまで

(範囲が)〜まで全部・〜のような細かいところまで

接続
  • N + に至るまで
  • N1 + から + N2 + に至るまで

「Nに至るまで」は、範囲がNにまで及ぶことを強調する言い方です。「AからBに至るまで」の形でよく使い、Bには「そんなところまで」と驚くような、範囲の端にあるものを置きます。時間(若いころから現在に至るまで)にも、もの(野菜から調味料に至るまで)にも使えます。「まで」より硬く、強調の気持ちが強い表現です。

例文

  • この店みせでは、野菜やさいから調味料ちょうみりょう に至いたるまで、すべて地元じもとの物ものを使つかっている。

  • 祖父そふは若わかいころから現在げんざい に至いたるまで、毎日まいにち日記にっきをつけている。

くわしい説明とクイズ →

〜を限りに

①〜を最後に(続いてきたことをやめる) ②声を限りに=声が出るかぎり

接続
  • N(時) + を限りに
  • 声 + を限りに

用法は二つあります。①「今日・今年・今回」などの時を表す名詞について、「それを最後に、今まで続いてきたことを終わりにする」という意味を表します。閉店・引退・禁煙など、終わりやけじめの決意によく使います。②「声を限りに」の形で、「出せるかぎりの大きな声で」という意味を表す慣用表現です。

例文

  • 本日ほんじつ を限かぎりに、当店とうてんは閉店へいてんいたします。

  • 今日きょう を限かぎりに、たばこはやめることにした。

くわしい説明とクイズ →

読む

のれんを下ろす日

駅前えきまえの商店街しょうてんがいで百年ひゃくねん近ちかく続つづいてきた和菓子わがしの老舗しにせ「みどり屋や」が、今月末こんげつまつを限かぎりに店みせを閉しめることになった。

三代目さんだいめの店主てんしゅ、山本やまもとさん(七十八歳ななじゅうはっさい)が引退いんたいすることを決きめたためだ。

みどり屋やの菓子かしは、材料ざいりょうの豆まめ選えらびから包装ほうそうに至いたるまで、すべて山本やまもとさんが自分じぶんの手てで行おこなってきた。

「手間暇てまひまを惜おしまないこと。それが父ちちから教おそわった、ただ一ひとつのことです」と山本やまもとさんは話はなす。

店みせの中なかは今いまも隅々すみずみまで掃除そうじが行いき届とどき、古ふるい木きの棚たながつやつやと光ひかっている。

閉店へいてんが決きまってから、店みせの前まえには毎朝まいあさのように行列ぎょうれつができている。

四十年よんじゅうねん通かよっているという常連じょうれんの女性じょせいは、「この豆大福まめだいふくがなくなると思おもうと寂さびしい」と名残なごりを惜おしんでいた。

子こどもたちはそれぞれ別べつの仕事しごとに就ついていて、店みせを継つぐ人ひとはいない、と山本やまもとさんは話はなしていた。

ところが最終日さいしゅうびの朝あさ、店みせの入口いりぐちに一枚いちまいの紙かみが貼はり出だされた。

「来年らいねんの春はる、孫まごの私わたしがこの店みせを継つぎます。それまで修業しゅぎょうしてまいります」。

書かいたのは、毎週まいしゅう土曜日どようびに店みせを手伝てつだっていた大学生だいがくせいの孫まご、さくらさんだった。

「のれんは、しばらく休やすむだけです」と、山本やまもとさんは少すこし照てれくさそうに笑わらった。

内容のかくにん

R1「みどり屋や」が店みせを閉しめるのはなぜか。

答えと解説

答え: 2 店主てんしゅが引退いんたいするから

2 行目に「山本やまもとさんが引退いんたいすることを決きめたためだ」とあります。客きゃくはむしろ行列ぎょうれつができるほど来きています。

R2最終日さいしゅうびの朝あさに貼はり出だされた紙かみには、何なにが書かいてあったか。

答えと解説

答え: 3 孫まごが来年らいねんの春はるに店みせを継つぐこと

紙かみには「来年らいねんの春はる、孫まごの私わたしがこの店みせを継つぎます」と書かいてありました。だから山本やまもとさんは「のれんはしばらく休やすむだけ」と言いったのです。

クイズ

1祖父そふが始はじめたこの店みせを、父ちちに続つづいて私わたしも(  )つもりだ。

答えと解説

答え: 3 継つぐ

「店みせを継つぐ」は、親おやなどの仕事しごとを引ひき受うけて続つづけることです。「呆あきれる」「寝付ねつく」は「を」を取とらず、「店みせを惜おしむ」も意味いみが通とおりません。

2この喫茶店きっさてんは、毎日まいにちのように来くる(  )の客きゃくに支ささえられている。

答えと解説

答え: 2 常連じょうれん

「常連じょうれんの客きゃく」は、いつも同おなじ店みせに来くる客きゃくのことです。「毎日まいにちのように来くる」とあるので「常連じょうれん」が合あいます。

3祭まつりが終おわった後あとも、町まちには楽たのしかった夜よるの(  )が残のこっていた。

答えと解説

答え: 1 名残なごり

「名残なごり」は、何なにかが終おわった後あとに残のこる気配けはいや雰囲気ふんいきのことです。「〜の名残なごりが残のこる」はよく使つかう言いい方かたです。

4社長しゃちょうの考かんがえ方かたから社員しゃいんの服装ふくそう(  )、この会社かいしゃは何なにもかもが新あたらしい。

答えと解説

答え: 4 に至いたるまで

「A から B に至いたるまで」は、範囲はんいが B のような細こまかいところまで広ひろく及およぶことを表あらわします。「から」と組くみ合あわせて使つかえるのは「に至いたるまで」だけです。

5この映画館えいがかんは、今夜こんやの上映じょうえい(  )、五十年ごじゅうねんの歴史れきしに幕まくを下おろす。

答えと解説

答え: 2 を限かぎりに

「〜を限かぎりに」は「それを最後さいごとして」という意味いみで、続つづいてきたことが終おわる時点じてんを表あらわします。「なり」「や否いなや」は動詞どうしの後あとに付つく形かたちです。

6「〜に至いたるまで」の使つかい方かたが正ただしいものはどれか。

答えと解説

答え: 4 この旅館りょかんでは、布団ふとんから湯飲ゆのみに至いたるまで、すべて地元じもとの職人しょくにんが作つくったものだ。

「A から B に至いたるまで」は、範囲はんいが広ひろく及およんでいることを表あらわします。4 は「布団ふとんから湯飲ゆのみまで、すべて」という意味いみで正ただしいです。1 は「すぐに」と合あわず意味いみが通とおりません。2 は い形容詞けいようし、3 は た形けいに付ついていて、形かたちが誤あやまりです。

7この通とおりには老舗の旅館りょかんが多おおい。

答えと解説

答え: 4 しにせ

「老舗」は特別とくべつな読よみ方かたで「しにせ」と読よみます。漢字かんじの音おとどおりには読よみません。

8机つくえの中なかを隅々まで探さがしたが、鍵かぎは見みつからなかった。

答えと解説

答え: 2 すみずみ

「隅々」は「すみずみ」と読よみます。二ふたつ目めの「すみ」は濁にごって「ずみ」になります。

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