- 言語知識(文字・語彙・文法)・読解110分
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文字・語彙
問題1 漢字読み
__の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
1彼は与えられた任務を最後まで責任を持って遂行した。
- 1ついこう
- 2すいこう
- 3すいぎょう
- 4ちくこう
答えと解説
答え: 2 すいこう
「遂行」は「すいこう」と読み、物事をやりとげるという意味です。「遂」は「つい」と読むこともありますが、熟語では「すい」です。「行」はここでは「こう」と読みます。
2収入と支出の均衡を保つのは、思ったほど簡単ではない。
- 1きんこ
- 2きんごう
- 3へいこう
- 4きんこう
答えと解説
答え: 4 きんこう
「均衡」は「きんこう」と読み、つり合いがとれていることです。「こう」は長音で、濁りません。「へいこう」は「平衡」の読みです。
3今年は天候の影響で、野菜の相場が例年より高くなっている。
- 1そうば
- 2そうじょう
- 3あいば
- 4そうは
答えと解説
答え: 1 そうば
「相場」は「そうば」と読み、その時々の市場での値段という意味です。「場」は濁って「ば」と読みます。
4日々の点検を怠ると、大きな事故につながりかねない。
- 1なまける
- 2とどこおる
- 3おこたる
- 4あなどる
答えと解説
答え: 3 おこたる
「怠る」は「おこたる」と読み、しなければならないことをしないという意味です。「なまける」は「怠ける」と送りがなが違います。「とどこおる」は「滞る」、「あなどる」は「侮る」です。
5新しい研究の結果は、これまでの定説を覆すものだった。
- 1くつがえす
- 2くりかえす
- 3ひるがえす
- 4うらがえす
答えと解説
答え: 1 くつがえす
「覆す」は「くつがえす」と読み、それまでのものを根本から変えるという意味です。「くりかえす」は「繰り返す」、「ひるがえす」は「翻す」、「うらがえす」は「裏返す」です。
6式典は厳かな雰囲気の中で行われた。
- 1おろそか
- 2おだやか
- 3ひそか
- 4おごそか
答えと解説
答え: 4 おごそか
「厳か」は「おごそか」と読み、重々しく立派な様子を表します。「おろそか」は「疎か」、「おだやか」は「穏やか」、「ひそか」は「密か」です。
問題2 文脈規定
( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
7この山道は( )が激しく、初心者には少しきつい。
- 1推移
- 2屈折
- 3起伏
- 4交錯
答えと解説
答え: 3 起伏
「起伏が激しい」は、道や土地が高くなったり低くなったりすることが多いという意味です。「推移」は時間とともに移り変わること、「屈折」は光や気持ちが曲がること、「交錯」はいくつかのものが入りまじることで、山道には使いません。
8説明会をオンラインにしたことで、参加の( )が下がり、申し込みが増えた。
- 1ノルマ
- 2ハードル
- 3ニーズ
- 4ブランク
答えと解説
答え: 2 ハードル
「ハードルが下がる」は、何かをするときの難しさや負担が小さくなるという意味で、申し込みが増えた理由に合います。「ノルマ」は割り当てられた仕事の量、「ニーズ」は求め、「ブランク」は空白の期間で、文に合いません。
9最初の小さな誤解から話し合いが( )、結論が出るまで半年もかかった。
- 1ほころびて
- 2しなびて
- 3すたれて
- 4こじれて
答えと解説
答え: 4 こじれて
「こじれる」は、物事がうまく進まず、複雑で解決しにくくなることです。「ほころびる」は縫い目がほどけること、「しなびる」は野菜などが水分を失ってしおれること、「すたれる」は使われなくなることで、話し合いには使いません。
10山の上から見上げると、夜空には( )数の星が輝いていた。
- 1おびただしい
- 2はなはだしい
- 3いちじるしい
- 4めざましい
答えと解説
答え: 1 おびただしい
「おびただしい」は数や量が非常に多いことを表し、「おびただしい数の〜」の形でよく使います。「はなはだしい」は程度がひどいこと(「誤解もはなはだしい」)、「いちじるしい」は変化などがはっきりしていること、「めざましい」は進歩などがすばらしいことで、「数」には付きません。
11天候不順の影響で、店に並ぶ野菜が( )値上がりしている。
- 1根こそぎ
- 2軒並み
- 3ひたすら
- 4片っ端から
答えと解説
答え: 2 軒並み
「軒並み」は「どれもこれもそろって」という意味です。「根こそぎ」は全部を残らず取ること、「ひたすら」はそのことだけを一生懸命すること、「片っ端から」は人が次々に何かをすることで、「値上がりする」には合いません。
12その会社は、得た利益の一部を奨学金などの形で地域に( )している。
- 1返済
- 2回収
- 3還元
- 4返還
答えと解説
答え: 3 還元
「還元」は、得た利益などをもとの社会や人々に戻すことで、「利益を地域に還元する」はよく使う表現です。「返済」は借りたお金を返すこと、「回収」は集めて取り戻すこと、「返還」は預かったものや取ったものを返すことで、合いません。
13道に猫が飛び出してきたので、運転手は( )ブレーキを踏んだ。
- 1おもむろに
- 2ことごとく
- 3たちまち
- 4とっさに
答えと解説
答え: 4 とっさに
「とっさに」は、急なことに対して考える間もなくすぐ反応する様子です。「おもむろに」はゆっくり落ち着いて、「ことごとく」は全部、「たちまち」は短い時間で状態が変わる様子で、急に反応する動作には合いません。
問題3 言い換え類義
__の言葉に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
14毎日練習を続けていれば、結果はおのずとついてくるものだ。
- 1自然に
- 2急に
- 3確実に
- 4少しずつ
答えと解説
答え: 1 自然に
「おのずと」は「特に何もしなくても自然に」という意味です。「急に」「確実に」「少しずつ」は意味が違います。
15二人は子どものころから、何かにつけて張り合ってきた。
- 1協力して
- 2助け合って
- 3競争して
- 4言い争って
答えと解説
答え: 3 競争して
「張り合う」は、相手に負けないように互いに競うことで、「競争する」が最も近いです。「言い争う」は口げんかをすることで、意味が違います。「協力する」「助け合う」は反対の意味に近いです。
16雨上がりの朝は、空気がすがすがしい。
- 1冷たい
- 2さわやかだ
- 3湿っぽい
- 4重苦しい
答えと解説
答え: 2 さわやかだ
「すがすがしい」は、気持ちがよくさっぱりしている様子で、「さわやかだ」が最も近いです。「冷たい」は温度のこと、「湿っぽい」「重苦しい」は気持ちのよくない様子です。
17遅刻した理由について、彼は何も弁解しなかった。
- 1反省
- 2質問
- 3報告
- 4言い訳
答えと解説
答え: 4 言い訳
「弁解」は、自分の失敗などについて理由を述べて許してもらおうとすること、つまり「言い訳」です。「反省」は自分の行いをふり返ること、「質問」「報告」は意味が違います。
18職人は一つ一つの部品を丹念に磨いていた。
- 1細かく丁寧に
- 2手早く
- 3力を入れて
- 4何度も
答えと解説
答え: 1 細かく丁寧に
「丹念に」は、細かいところまで気を配って丁寧に、という意味です。「手早く」は速く、「力を入れて」「何度も」は丁寧さを表していません。
19この写真は、光と影のコントラストが美しい。
- 1調和
- 2対比
- 3変化
- 4配置
答えと解説
答え: 2 対比
「コントラスト」は、違うものを並べたときの差がはっきりしていること、つまり「対比」です。「調和」はつり合いがとれていること、「変化」「配置」は意味が違います。
問題4 用法
次の言葉の使い方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
20経緯
- 1新しい駅ができてから、町の経緯は大きく変わった。
- 2この小説は、主人公の心の経緯を丁寧に描いている。
- 3部長は会議で、計画が変更されるまでの経緯を説明した。
- 4天気予報によると、台風は今後北へ経緯する見込みだ。
答えと解説
答え: 3 部長は会議で、計画が変更されるまでの経緯を説明した。
「経緯」は、物事がそうなるまでの細かい事情やいきさつのことです。1は「様子」、2は「動き」、4は「進む」などが自然です。
21合致
- 1二つの会社が合致して、新しい会社が生まれた。
- 2駅前で友人と合致してから、映画館へ向かった。
- 3この服は、色もデザインも私によく合致している。
- 4応募者の経歴が募集の条件に合致していたので、面接に進んでもらうことにした。
答えと解説
答え: 4 応募者の経歴が募集の条件に合致していたので、面接に進んでもらうことにした。
「合致」は、条件や考えなどがぴったり合うことです。1は「合併」、2は「合流」、3は「似合って」が自然です。
22食い止める
- 1会社は新しい販売方法を取り入れて、赤字の拡大を食い止めた。
- 2道で知り合いに食い止められて、30分も立ち話をしてしまった。
- 3医者に言われて、毎晩飲んでいたコーヒーを食い止めることにした。
- 4試合の途中で雨が強くなったため、審判は試合を食い止めた。
答えと解説
答え: 1 会社は新しい販売方法を取り入れて、赤字の拡大を食い止めた。
「食い止める」は、悪いことがそれ以上広がったり進んだりしないように防ぐことです。2は「呼び止められて」、3は「やめる」、4は「中止した」が自然です。
23質素
- 1この料理は味が質素なので、少し塩を足したほうがいい。
- 2祖父は収入が増えてからも、質素な暮らしを続けている。
- 3この問題は質素なので、小学生でもすぐに解ける。
- 4会議の資料は、要点だけを質素にまとめてください。
答えと解説
答え: 2 祖父は収入が増えてからも、質素な暮らしを続けている。
「質素」は、ぜいたくをせず、つつましい様子です。1は「薄い」、3は「簡単」、4は「簡潔」が自然です。
24一概に
- 1彼は約束の時間に一概に遅れてくる。
- 2部屋の荷物を一概に片付けたら、すっきりした。
- 3このアプリは一概に便利なので、ぜひ使ってみてほしい。
- 4値段が高いからといって、一概に品質がいいとは言えない。
答えと解説
答え: 4 値段が高いからといって、一概に品質がいいとは言えない。
「一概に」は、細かい違いを考えずにまとめて、という意味で、「一概に〜とは言えない」のように後に否定の形が来ます。1は「必ず」、2は「一気に」、3は「実に」が自然です。
25目先
- 1目先が悪いので、遠くの文字を読むときは眼鏡をかける。
- 2駅は、この道をまっすぐ行った目先にあります。
- 3目先の利益にとらわれず、長い目で見て判断するべきだ。
- 4次の会議の目先は、来週の月曜日に決まった。
答えと解説
答え: 3 目先の利益にとらわれず、長い目で見て判断するべきだ。
「目先」は、すぐ目の前のことや、近い将来のことです。「目先の利益」は、今すぐ得られる小さな利益という意味です。1は「目」、2は「先」、4は「日程」が自然です。
文法
問題5 文法形式の判断
次の文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
26この単語帳の言葉は、覚える( )忘れてしまうので、何度も繰り返すしかない。
- 1うちに
- 2そばから
- 3ばかりに
- 4あまり
答えと解説
答え: 2 そばから
「〜そばから」は「〜してもすぐにまた」という意味で、同じことが何度も繰り返される様子を表します。「うちに」は変化が起こる間、「ばかりに」は悪い結果の原因、「あまり」は程度が強すぎることを表し、ここでは意味が合いません。
27この店の料理は、味( )、器や盛り付けの美しさでも評判だ。
- 1とあって
- 2ならでは
- 3をよそに
- 4もさることながら
答えと解説
答え: 4 もさることながら
「N1もさることながらN2も」は「N1ももちろんだが、それに加えてN2も」という意味で、味のよさに加えて器や盛り付けの美しさも評判だ、という文になります。「とあって」は「〜という特別な事情なので」と理由を表し、「ならでは」は「〜だけにある」、「をよそに」は「〜を気にしないで」という意味なので合いません。
28初心者( )、十年もこの仕事をしている人がこんな基本的なミスをするとは信じられない。
- 1ならいざしらず
- 2ともなると
- 3にしたところで
- 4とあって
答えと解説
答え: 1 ならいざしらず
「〜ならいざしらず」は「〜なら仕方がないが、…は違う」という意味で、初心者とベテランを比べています。「ともなると」は「〜という立場になると」、「にしたところで」は「〜も同じで」、「とあって」は「〜なので」という意味で、文がつながりません。
29A「明日の発表、一人で準備できるか心配だから、手伝ってくれない?」
B「子ども( )、それくらい自分でやりなさいよ。」
- 1だからこそ
- 2とはいえ
- 3ではあるまいし
- 4であればこそ
答えと解説
答え: 3 ではあるまいし
「〜ではあるまいし」は「〜ではないのだから」という意味で、後ろに相手への注意や意見が来ます。「子どもではないのだから自分でやりなさい」という意味になります。「だからこそ」「であればこそ」は「子どもだから」という理由になり、「とはいえ」は逆接で、どれも文意に合いません。
30先生がこんなに厳しく注意するのは、君の将来を思え( )なんだよ。
- 1ども
- 2ばこそ
- 3ばいいが
- 4ばきりがない
答えと解説
答え: 2 ばこそ
「〜ばこそ」は「〜からこそ」と同じで、理由を強く示します。「君の将来を思っているからこそ厳しく注意する」という意味です。「ども」は逆接(〜けれども)、「ばいいが」「ばきりがない」は「なんだよ」につながらず、意味も合いません。
31長年苦労を重ねてきた職人が、ついに念願の賞を受けたと聞き、感動( )。
- 1を禁じ得なかった
- 2を余儀なくされた
- 3には及ばなかった
- 4に越したことはなかった
答えと解説
答え: 1 を禁じ得なかった
「〜を禁じ得ない」は「その気持ちを抑えることができない」という意味で、感動・涙・同情などの感情を表す名詞に付きます。「を余儀なくされた」は「仕方なく〜させられた」、「には及ばなかった」は「〜する必要はなかった」、「に越したことはなかった」は「〜がいちばんだった」という意味で合いません。
32彼の説明には、私たちを納得させる( )根拠が何一つなかった。
- 1までもない
- 2べからざる
- 3にかたくない
- 4に足る
答えと解説
答え: 4 に足る
「V辞書形+に足る」は「〜するだけの価値・十分さがある」という意味で、「納得させるに足る根拠」は「納得させられるだけの根拠」です。「までもない」は「〜する必要はない」、「べからざる」は「〜してはいけない」、「にかたくない」は「想像にかたくない」のように「簡単に〜できる」の意味で、どれも合いません。
33周りが賛成しようが( )、私は自分で決めた道を進むつもりだ。
- 1したところで
- 2賛成すれば
- 3しまいが
- 4しないまで
答えと解説
答え: 3 しまいが
「Vようが Vまいが」は「〜しても〜しなくても関係なく」という意味です。「賛成しようがしまいが」で「周りが賛成してもしなくても」となります。ほかの選択肢は「〜ようが」と組み合わせる形ではありません。
34初めて自分で育てた野菜を収穫したときのうれしさ( )。
- 1といったらなかった
- 2どころではなかった
- 3までもなかった
- 4にすぎなかった
答えと解説
答え: 1 といったらなかった
「Nといったらない」は「言葉で言えないほど〜だ」と程度がとても高いことを表します。「どころではなかった」は「〜する余裕がなかった」、「までもなかった」は「必要がなかった」、「にすぎなかった」は「ただ〜だけだった」という意味で、喜びの強さを表す文に合いません。
35A「はじめまして。営業部の田中と申します。」
B「はじめまして。田中さんのお名前は、以前から( )。」
- 1ご存じです
- 2お知りになっています
- 3知っていらっしゃいます
- 4存じ上げております
答えと解説
答え: 4 存じ上げております
自分が相手のことを知っていると言うときは、謙譲語の「存じ上げる」を使います。「ご存じだ」「知っていらっしゃる」は相手の動作に使う尊敬語なので、自分の動作には使えません。「お知りになる」は一般的に使わない形です。
問題6 文の組み立て
次の文の★に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
36息子は学校から __ __ _★_ __ 遊びに行ってしまった。
- 1なり
- 2放り出して
- 3かばんを
- 4帰ってくる
答えと解説
答え: 3 かばんを
正しい順番は 4→1→3→2 です。「息子は学校から帰ってくるなりかばんを放り出して遊びに行ってしまった。」「Vなり」は「〜するとすぐに」という意味です。
37仕事 __ __ _★_ __ 最後までやり通すべきだ。
- 1ことは
- 2一度始めた
- 3趣味であれ
- 4であれ
答えと解説
答え: 2 一度始めた
正しい順番は 4→3→2→1 です。「仕事であれ趣味であれ一度始めたことは最後までやり通すべきだ。」「AであれBであれ」は「AでもBでも同じように」という意味です。
38本日は __ __ _★_ __ 、ありがとうございました。
- 1いただき
- 2ところを
- 3お忙しい
- 4お越し
答えと解説
答え: 4 お越し
正しい順番は 3→2→4→1 です。「本日はお忙しいところをお越しいただき、ありがとうございました。」「〜ところを」は「〜という状況なのに」という意味で、お礼やおわびの決まった言い方に使います。
39彼女は __ _★_ __ __ 毎朝早く起きて勉強している。
- 1夢を
- 2べく
- 3留学の
- 4かなえる
答えと解説
答え: 1 夢を
正しい順番は 3→1→4→2 です。「彼女は留学の夢をかなえるべく毎朝早く起きて勉強している。」「V辞書形+べく」は「〜するために」という意味の書き言葉です。
40会議中に __ __ _★_ __ 。
- 1極まりない
- 2何度も
- 3失礼
- 4電話で話すなんて
答えと解説
答え: 3 失礼
正しい順番は 2→4→3→1 です。「会議中に何度も電話で話すなんて失礼極まりない。」「な形容詞の語幹+極まりない」は「この上なく〜だ」という意味です。
問題7 文章の文法
次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、【番号】の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
最近、初めて訪れる町を歩くときには、あえて地図アプリを使わないことにしている。目的地までの道順を調べずに、駅の案内板と大まかな方角だけを頼りに歩いてみるのである。
当然、道に迷うことは多い。行き止まりに突き当たったり、同じ角を二度曲がったりして、約束の時間に遅れそうになったこともある。しかし、そうして遠回りをするうちに、看板も出ていない小さな古本屋や、昼どきだけ行列ができる食堂に出会うことがある。1発見は、画面の矢印どおりに最短の道を進んでいたら、きっとなかったものだ。
地図アプリは確かに便利だ。私も仕事で急いでいるときには使う。だが、それを使っている間、自分がどれほど周りの景色を見ていなかったかに気づくと、ぞっと2。画面ばかり見て歩いていると、町はただ通り過ぎるための空間になってしまうのだ。
3、誰にでも迷い歩きをすすめたいわけではない。知らない土地で夜遅くに一人で歩くような場合は、前もって道を確かめておく4。迷うことを楽しめるのは、時間にも気持ちにも余裕があるときだけだろう。
それでも、効率よく目的地に着くことだけが、歩くことの価値ではないはずだ。道に迷い、通りがかりの人に道を尋ね、思いがけない景色に足を止める。そんな寄り道の時間こそが、旅や暮らしを豊かにしてくれている5。
411
- 1あんな
- 2こうした
- 3どんな
- 4いかなる
答えと解説
答え: 2 こうした
直前に書いた「古本屋や食堂に出会うこと」を指して「こうした発見」と言います。「あんな」は話し手と読み手が共に知っている物事を指すので、文章の中で直前の内容を受けるのには使いません。「どんな」「いかなる」は疑問や「〜ても」の形で使うので、ここには入りません。
422
- 1せずにはいられない
- 2せずじまいだ
- 3せずにおく
- 4せずにはすまない
答えと解説
答え: 1 せずにはいられない
「〜ずにはいられない」は「自分の気持ちをおさえられず、どうしても〜してしまう」という意味で、「ぞっとせずにはいられない」は「思わずぞっとしてしまう」ということです。「せずじまいだ」は「結局しなかった」、「せずにおく」は「わざとしないでおく」、「せずにはすまない」は「(義務や状況から)しなければならない」という意味で、気持ちの動きを表すこの文脈に合いません。
433
- 1そのうえ
- 2したがって
- 3ところが
- 4もっとも
答えと解説
答え: 4 もっとも
「もっとも」は、前に述べたことに「ただし」と条件や例外を付け加えるときに使います。迷い歩きのよさを述べたあと、「誰にでもすすめたいわけではない」と補っているので「もっとも」が合います。「そのうえ」は追加、「したがって」は結果、「ところが」は予想外の展開を表すので合いません。
444
- 1までもない
- 2に越したことはない
- 3わけにはいかない
- 4にすぎない
答えと解説
答え: 2 に越したことはない
「〜に越したことはない」は「〜するほうがいい・〜がいちばんだ」という意味で、夜遅く一人で歩く場合は道を確かめておくほうがいい、という内容になります。「までもない」は「必要はない」、「わけにはいかない」は「できない」、「にすぎない」は「ただ〜だけだ」という意味で合いません。
455
- 1とは思いもしない
- 2ものと思われたい
- 3ように思えてならない
- 4かのように思わせる
答えと解説
答え: 3 ように思えてならない
「〜ように思えてならない」は「どうしても〜と感じられる」という意味で、筆者の強い実感を表します。最後の段落で寄り道の価値を述べているので、これが合います。「とは思いもしない」は反対の意味、「ものと思われたい」「かのように思わせる」は筆者自身の考えを述べる文末として不自然です。
読解
問題8 内容理解(短文)
次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「創造的な仕事には自由な時間が欠かせない」とよく言われる。毎日同じ時刻に起き、同じ道を散歩し、同じ時間に机に向かう。そうした単調な日課は、ひらめきとは無縁のものに思えるかもしれない。しかし、優れた作品を残した書き手や作曲家の多くが、驚くほど厳格な日課を守っていたことはよく知られている。何をいつするかを毎日決め直す必要がなければ、そのぶんの気力を作品そのものに注ぐことができる。決まりきった生活は創造の妨げではなく、むしろそれを下支えする土台なのである。
46筆者の考えに合うものはどれか。
- 1創造的な仕事をするには、日課にとらわれず自由に過ごすほうがよい。
- 2日々の行動を決めておくことで、創作に力を集中しやすくなる。
- 3単調な日課を続けると、新しい発想が生まれにくくなる。
- 4日課を守るためには、毎日行動を決め直す気力が必要である。
答えと解説
答え: 2 日々の行動を決めておくことで、創作に力を集中しやすくなる。
本文に「何をいつするかを毎日決め直す必要がなければ、そのぶんの気力を作品そのものに注ぐことができる」とあるので 2 が正答です。1 と 3 は筆者が否定している一般的な考えです。4 は、決め直す必要がないことが利点だという本文と逆です。
給水設備点検に伴う断水のお知らせ
居住者各位
日頃より管理組合の運営にご協力いただき、ありがとうございます。下記の日程で給水設備の定期点検を実施いたします。点検中は全戸で断水となりますので、ご了承ください。
- 日時:11月14日(土)午前9時〜午後3時
- 断水中はトイレの水も流れません。前日までに、飲み水のほか、トイレ用の水を浴槽などにためておいてください。
- 断水が終わった直後は、濁った水が出ることがあります。しばらく水を出してから、ご使用ください。
ひばりが丘マンション管理組合
47このお知らせを読んだ住民が、前もってしておかなければならないことは何か。
- 1点検の日に在宅しているかどうかを、管理組合に連絡しておく。
- 2点検の作業時間に合わせて、しばらく水を出して濁りを流しておく。
- 3点検に立ち会えるかどうかを、前日までに管理組合に知らせておく。
- 4点検の前日までに、飲み水やトイレに使う水をためておく。
答えと解説
答え: 4 点検の前日までに、飲み水やトイレに使う水をためておく。
「前日までに、飲み水のほか、トイレ用の水を浴槽などにためておいてください」とあるので 4 が正答です。2 の「水を出す」のは断水が終わった後にすることです。1 と 3 のような連絡については書かれていません。
渡り鳥は何千キロも離れた土地へ、ほとんど迷うことなくたどり着く。その手がかりは一つではないらしい。昼に飛ぶ鳥は太陽の位置を、夜に飛ぶ鳥は星の配置を頼りにしていると考えられている。ただし、太陽も星も、雲に隠れてしまえば見えなくなる。そこで注目されているのが地磁気である。鳥の体には地球の磁気を感じ取るしくみがあり、空が見えない日でも方角が分かるのではないかというのだ。いくつもの手がかりを使い分けることで、鳥は長い旅を確かなものにしているのだろう。
48本文の内容に合うものはどれか。
- 1渡り鳥は、空が見えない日には地磁気を手がかりにしている可能性がある。
- 2渡り鳥は、昼も夜も星の配置だけを頼りにして方角を知っている。
- 3地磁気を感じ取るしくみは、夜に飛ぶ鳥だけが持っている。
- 4渡り鳥は、雲が多い日には飛ぶのをやめて天気の回復を待つ。
答えと解説
答え: 1 渡り鳥は、空が見えない日には地磁気を手がかりにしている可能性がある。
「空が見えない日でも方角が分かるのではないか」と、地磁気が手がかりになる可能性が書かれているので 1 が正答です。昼は太陽を頼りにするので 2 は誤りです。3 のように夜の鳥だけとは書かれておらず、4 のような内容もありません。
大阪で生まれ育った私は、東京で働き始めてから、職場では共通語で話している。不思議なことに、共通語を使っているときの私は、自分でも少しよそよそしく感じるほど冷静だ。冗談もあまり言わない。ところが、帰省して家族と方言で話し出すと、声は大きくなり、相手の話にも遠慮なく口をはさむ。どちらが本当の自分かと聞かれても、答えに困る。言葉が変われば、ものの言い方だけでなく、人との距離の取り方まで変わってしまうようなのだ。
49筆者は、方言で話すときと共通語で話すときで、どのような違いを感じているか。
- 1方言で話すときのほうが、自分の気持ちを冷静に伝えられる。
- 2共通語で話すときのほうが、冗談を言って相手を笑わせやすい。
- 3方言で話すときのほうが、人との距離が近く、遠慮が少なくなる。
- 4共通語で話すときのほうが、相手の話に口をはさみやすくなる。
答えと解説
答え: 3 方言で話すときのほうが、人との距離が近く、遠慮が少なくなる。
方言で話すと「相手の話にも遠慮なく口をはさむ」とあり、最後に「人との距離の取り方まで変わってしまう」とまとめているので 3 が正答です。冷静になるのは共通語のときなので 1 は誤りです。共通語では冗談をあまり言わないので 2 も誤り、口をはさむのは方言のときなので 4 も誤りです。
問題9 内容理解(中文)
次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
和食には「旬」という考え方がある。野菜や魚が最もおいしく、栄養も豊かになる時期のことだ。春には山菜、夏にはきゅうりやなす、秋にはさんま、冬には大根と、日本の食卓は季節とともに移り変わってきた。旬の食材はたくさんとれるので値段も安い。昔の人にとって旬のものを食べることは、ぜいたくではなく、暮らしの知恵でもあった。
ところが、今ではこの感覚がずいぶん薄れている。ハウス栽培や冷凍・輸送の技術が進み、一年中ほとんどの食材が店に並ぶようになったからだ。夏の野菜だったトマトを真冬に買うことも珍しくない。店先に並ぶ野菜を見ても、今がどの季節なのか分からないという人もいるだろう。便利になったのは確かだが、いつでも手に入るものに季節を感じるのは難しい。
もっとも、旬という考え方が消えてしまったわけではない。その年に初めてとれた「初物」を喜んだり、季節限定の料理を楽しみにしたりする人は今も多い。むしろ、いつでも何でも食べられる時代だからこそ、季節を意識して食材を選ぶことが、かえって新鮮な楽しみになっているのではないだろうか。旬とは、単においしい時期を指す言葉ではない。季節の移ろいを舌で確かめる、私たちなりの暦なのだと思う。
50「暮らしの知恵」とあるが、どういうことか。
- 1旬の食材は手に入りにくいので、保存の工夫が必要だったということ
- 2季節ごとの料理を作ることで、家族の楽しみを増やしていたということ
- 3旬の食材は安くて栄養もあるので、生活に役立つ選び方だったということ
- 4旬の食材を食べることは、豊かさを示す方法だったということ
答えと解説
答え: 3 旬の食材は安くて栄養もあるので、生活に役立つ選び方だったということ
直前に、旬の食材は「栄養も豊か」で「たくさんとれるので値段も安い」とあります。安くて体によいものを選ぶことが生活の工夫だったという意味なので 3 が正答です。旬のものはたくさんとれるので 1 は誤り、「ぜいたくではなく」とあるので 4 も誤りです。
51筆者によると、「旬」が感じにくくなったのはなぜか。
- 1栽培や輸送の技術が発達し、一年中さまざまな食材が手に入るようになったから
- 2外国の料理が広まり、季節の食材を使った和食を作らなくなったから
- 3旬の食材の値段が上がり、気軽に買えなくなったから
- 4気候が変わり、食材のとれる時期が以前とずれてしまったから
答えと解説
答え: 1 栽培や輸送の技術が発達し、一年中さまざまな食材が手に入るようになったから
第2段落に「ハウス栽培や冷凍・輸送の技術が進み、一年中ほとんどの食材が店に並ぶようになったからだ」とあるので 1 が正答です。2・3・4 の理由は本文に書かれていません。
52旬について、筆者はどのように考えているか。
- 1便利な時代には、旬を意識して食材を選ぶ必要はなくなった。
- 2旬の考え方を守るため、季節外れの食材は買わないほうがよい。
- 3旬とは、食材が最もおいしくなる時期を表す言葉にすぎない。
- 4何でも食べられる今だからこそ、季節を感じて選ぶ楽しみがある。
答えと解説
答え: 4 何でも食べられる今だからこそ、季節を感じて選ぶ楽しみがある。
第3段落に「いつでも何でも食べられる時代だからこそ、季節を意識して食材を選ぶことが、かえって新鮮な楽しみになっている」とあるので 4 が正答です。筆者は旬を「単においしい時期を指す言葉ではない」と述べているので 3 は誤りです。1 は本文と逆で、2 のような主張はしていません。
里山とは、人里の近くにある雑木林や田畑、ため池などがひとまとまりになった環境のことだ。手つかずの自然とは違い、里山は長い間、人の手によって保たれてきた。かつて人々は、薪や炭を得るために定期的に木を切り、落ち葉を集めて肥料にした。草を刈り、ため池の泥をさらうことも欠かせない作業だった。
こうした営みは、結果として多くの生き物にすみかを与えてきた。木が切られると林の中に日が差し込み、明るい場所を好む草花が育つ。草花が咲けば、それを頼りにするチョウやハチが集まる。刈られた草地や手入れされた水辺には、カエルやトンボも暮らす。暗い森、明るい林、草地、水辺と、異なる環境が隣り合っていることが、里山の生き物の多さを生み出しているのである。
ところが、燃料が石油やガスに替わり、農村の人口も減ると、里山に人が入ることは少なくなった。手入れをやめた林では木がうっそうと茂り、地面まで光が届かなくなる。すると、明るい場所でしか育たない草花が姿を消し、それに頼っていた虫も見られなくなる。人が離れれば自然が戻ると考えがちだが、里山ではむしろ生き物の種類が減ってしまうのだ。
自然を守るとは、必ずしも人が手を引くことではない。里山のように、人が適度に関わり続けることで初めて保たれる自然もあるのである。
53「こうした営み」とは何か。
- 1手つかずの自然を残すために、林に人が入らないようにすること
- 2生活に必要なものを得るために、木を切ったり草を刈ったりすること
- 3生き物の数を増やすために、林の中に草花を植えること
- 4雑木林を広げるために、田畑やため池を少しずつ減らすこと
答えと解説
答え: 2 生活に必要なものを得るために、木を切ったり草を刈ったりすること
直前の段落に、薪や炭を得るために木を切る、落ち葉を集めて肥料にする、草を刈る、ため池の泥をさらう、と書かれています。これらをまとめたものなので 2 が正答です。1・3・4 のような作業は書かれていません。
54筆者によると、里山の手入れをやめると、どうなるか。
- 1林が明るくなり、草花が増えすぎてしまう。
- 2木が切られなくなり、水辺にトンボが集まるようになる。
- 3人が入らなくなり、もとの手つかずの自然に戻っていく。
- 4林が暗くなり、明るい場所に頼る草花や虫が減っていく。
答えと解説
答え: 4 林が暗くなり、明るい場所に頼る草花や虫が減っていく。
第3段落に、手入れをやめた林では「地面まで光が届かなくなる」、明るい場所でしか育たない草花が消え、虫も見られなくなるとあるので 4 が正答です。林は暗くなるので 1 は誤りです。3 は「人が離れれば自然が戻ると考えがちだが」と筆者が否定している考えです。
55里山について、筆者の説明に合うものはどれか。
- 1異なる環境が隣り合っていることで、多くの生き物が暮らせる。
- 2燃料が変わったことで、以前より人の手が入るようになった。
- 3人が関わらなくなれば、里山の生き物はさらに増えていく。
- 4暗い森があることだけが、里山の生き物の多さを支えている。
答えと解説
答え: 1 異なる環境が隣り合っていることで、多くの生き物が暮らせる。
第2段落の最後に「異なる環境が隣り合っていることが、里山の生き物の多さを生み出している」とあるので 1 が正答です。燃料が変わって人が入らなくなったので 2 は誤り、人が離れると種類が減るので 3 も誤りです。4 は「暗い森だけ」としている点が違います。
在宅勤務になって半年がたつ。以前は片道一時間かけて電車で会社に通っていた。満員の車内で立ったまま過ごすこの時間を、私はずっと無駄だと思っていた。この二時間があれば、もっと仕事が進むのに、もっと眠れるのに、と。だから、在宅勤務が始まったときは、ようやく時間を取り戻せたと喜んだものだ。
ところが、しばらくすると妙な疲れを感じるようになった。朝起きてすぐパソコンに向かい、仕事が終わればそのまま台所に立つ。一日中同じ部屋にいると、どこまでが仕事でどこからが自分の時間なのか、境目がぼやけてしまうのだ。夜になっても頭の中で仕事のことが回り続け、なかなか寝つけない日もあった。
そこで気づいたのは、通勤時間が、私にとって気持ちを切り替えるための大切な時間だったということだ。行きの電車ではその日の段取りを考え、帰りの電車では窓の外をぼんやり眺めて、仕事を頭から追い出していた。何もしていないように見えたあの時間が、仕事と生活の間に区切りをつけてくれていたのである。
今、私は仕事を始める前と終えた後に、近所を二十分ほど歩くことにしている。わずかな時間だが、これが「出勤」と「帰宅」の代わりになっている。無駄だと思っていた時間にも、意味はあったのだ。
56在宅勤務になる前、筆者は通勤時間についてどのように考えていたか。
- 1仕事の段取りを考えるのに役立つ、大切な時間だ。
- 2窓の外を眺めて、気持ちを休められる時間だ。
- 3仕事や睡眠に使えたはずの、無駄な時間だ。
- 4満員でつらいが、体を動かせる貴重な時間だ。
答えと解説
答え: 3 仕事や睡眠に使えたはずの、無駄な時間だ。
第1段落に「私はずっと無駄だと思っていた。この二時間があれば、もっと仕事が進むのに、もっと眠れるのに」とあるので 3 が正答です。1 と 2 は、在宅勤務になってから筆者が気づいたことです。4 は書かれていません。
57「境目がぼやけてしまう」とあるが、なぜか。
- 1仕事の量が増えて、自分の時間がほとんどなくなったから
- 2一日中同じ部屋で、仕事も生活もしているから
- 3家族と過ごす時間が増えて、仕事に集中できなくなったから
- 4夜遅くまで仕事をして、寝る時間が短くなったから
答えと解説
答え: 2 一日中同じ部屋で、仕事も生活もしているから
直前に「朝起きてすぐパソコンに向かい、仕事が終わればそのまま台所に立つ。一日中同じ部屋にいると」とあります。同じ場所で仕事も生活もしているので 2 が正答です。仕事の量や家族、夜遅くまでの仕事については書かれていないので、1・3・4 は誤りです。
58筆者が今していることは何か。
- 1通勤の代わりに、朝早く起きて仕事の段取りを考えている。
- 2気持ちを切り替えるため、ときどき電車で会社に通っている。
- 3仕事が終わったら、すぐに台所に立って料理をしている。
- 4仕事の前後に近所を歩いて、区切りをつけるようにしている。
答えと解説
答え: 4 仕事の前後に近所を歩いて、区切りをつけるようにしている。
最後の段落に「仕事を始める前と終えた後に、近所を二十分ほど歩くことにしている」とあり、それが「出勤」と「帰宅」の代わりになっているので 4 が正答です。3 は以前の疲れの原因として書かれていることで、1 と 2 は本文にありません。
問題10 内容理解(長文)
次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
三年前、私は二十年近く暮らした東京を離れ、山あいの小さな町に移り住んだ。仕事の多くはインターネットでできるようになり、どこに住んでもかまわないと思えたからだ。
東京にいたころの私は、いつも時計を気にしていた。手帳には十五分刻みで予定を書き込み、電車の乗り換えには何分あれば間に合うかを頭に入れていた。空いた時間ができると、何か役に立つことで埋めなければ落ち着かなかった。一日にどれだけ多くのことをこなせたかが、その日の出来を測る物差しだったのである。
町に来て最初に戸惑ったのは、時間についての感覚の違いだった。役場の窓口は昼休みにきちんと閉まるし、バスは一時間に一本しかない。近所の人に「今度、お茶でもどうぞ」と言われて日時を尋ねると、「そのうち、雨の日にでも」と笑われた。畑仕事をする人たちにとって、晴れた日は外で働く日であり、人と会うのは雨で畑に出られない日なのだ。予定は時計ではなく、空模様で決まるらしい。
町の人たちの話を聞いていると、時間の区切り方そのものが違うことに気づく。「梅の花が咲いたらじゃがいもを植える」「山の雪が消えたら田んぼの準備」といった具合に、季節の目印が暦の役目を果たしている。時間は何時何分と細かく刻まれるものではなく、自然の移り変わりとともにゆっくりと巡ってくるものとして受け止められているのだ。
初めのうち、私はこうした暮らしをのんびりしすぎていると感じていた。思うように予定が組めず、いらいらすることもあった。だが、二年目の春、近所の人に誘われて畑を手伝ったことで考えが変わった。種をまいても、芽が出るのは土と天気次第で、人が急かしたところでどうにもならない。待つしかない時間があることを、私はそのとき初めて体で知った。
それ以来、私は手帳に予定を以前ほど細かく書かなくなった。空いた時間を無理に埋めることもない。何もしない午後に縁側で山を眺めていると、雲の形や鳥の声の変化に気づく。東京にいたころなら「無駄にした」と感じたであろう時間が、今はむしろ一日のうちでいちばん豊かに思える。
もちろん、仕事の締め切りはここでも守らなければならないし、時計がいらなくなったわけではない。ただ、時間には時計で測れるものと、測れないものがあるのだと思う。どれだけ多くをこなしたかだけで一日を評価していたころの私は、後者の存在を忘れていた。この町に来て私が手に入れたのは、自由な時間というより、時間に対する別の物差しだったのかもしれない。
59東京にいたころ、筆者はどのような暮らしをしていたか。
- 1予定を細かく決め、空いた時間も何かで埋めようとしていた。
- 2時計をあまり見ず、その日の気分で予定を決めていた。
- 3仕事をインターネットで済ませ、家で過ごすことが多かった。
- 4休みの日には、自然の中でゆっくり過ごすようにしていた。
答えと解説
答え: 1 予定を細かく決め、空いた時間も何かで埋めようとしていた。
第2段落に「手帳には十五分刻みで予定を書き込み」「空いた時間ができると、何か役に立つことで埋めなければ落ち着かなかった」とあるので 1 が正答です。「いつも時計を気にしていた」ので 2 は誤りです。3 と 4 は東京での暮らしとして書かれていません。
60「ゆっくりと巡ってくるもの」とあるが、どういうことか。
- 1町の人は、時計を持たずに一日を過ごしているということ
- 2田舎では、都会よりも一日が長く感じられるということ
- 3時間は、季節の変化とともに繰り返し訪れるものだということ
- 4畑仕事は、急がずに時間をかけて行うべきだということ
答えと解説
答え: 3 時間は、季節の変化とともに繰り返し訪れるものだということ
直前に、梅の花や山の雪といった「季節の目印が暦の役目を果たしている」とあり、時間は「自然の移り変わりとともに」とらえられています。季節がめぐるように時間も繰り返し来るという意味なので 3 が正答です。1・2・4 はこの部分の説明になっていません。
61町の人たちの時間のとらえ方について、本文の内容に合うものはどれか。
- 1晴れた日に人と会い、雨の日は家で休むことにしている。
- 2自然の様子を目印にして、仕事や予定を決めている。
- 3時計を使わないので、約束の時刻を守らないことが多い。
- 4一年の予定を、前もって細かく暦に書き込んでいる。
答えと解説
答え: 2 自然の様子を目印にして、仕事や予定を決めている。
第3段落の「予定は時計ではなく、空模様で決まる」、第4段落の「梅の花が咲いたらじゃがいもを植える」などから 2 が正答です。人と会うのは雨の日なので 1 は逆です。3 と 4 のようなことは書かれていません。
62この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
- 1都会の生活は忙しすぎるので、田舎に移り住むほうがよい。
- 2畑仕事を経験すれば、待つことの大切さが分かるようになる。
- 3移住しても仕事がある以上、時計から自由になることはできない。
- 4時間には、どれだけこなしたかでは測れない価値もある。
答えと解説
答え: 4 時間には、どれだけこなしたかでは測れない価値もある。
最後の段落で「時間には時計で測れるものと、測れないものがある」と述べ、手に入れたのは「時間に対する別の物差しだった」とまとめているので 4 が正答です。2 は考えが変わったきっかけにすぎず、3 は話の一部です。1 のように移住をすすめてはいません。
問題11 統合理解
次のAとBの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A
中学校の部活動の指導を、地域のスポーツクラブや文化団体の人に任せる動きが広がっている。私はこの流れに賛成だ。
まず、教師の負担が大きく減る。平日の放課後に加え、週末も練習や試合に付き添う教師は少なくない。授業の準備や生徒の相談に使うべき時間が、部活動に取られているのが現状だ。指導を地域に任せれば、教師は本来の仕事に力を注げるようになる。
また、生徒にとっても利点がある。これまでは、その競技の経験がない教師が顧問になることも珍しくなかった。地域の指導者には、競技や芸術を長く続けてきた人が多い。専門的な指導を受けられることは、生徒の意欲を高めるはずだ。
B
部活動の指導を地域の人に任せることで、教師の長時間労働が改善されることは期待できる。経験豊かな指導者から技術を学べるのも、生徒にとって魅力だろう。
しかし、部活動は単に技術を身につける場ではない。仲間と協力し、時には失敗を乗り越える経験を通して、生徒は学校生活の中で成長していく。教室とは違う生徒の姿を知ることは、教師にとっても指導の大切な手がかりになってきた。指導を外部に任せきりにすれば、こうした学校教育としての役割が見えにくくなるおそれがある。
また、地域によっては指導者が十分に集まらないことや、活動にかかる費用を家庭が負担しなければならないことも課題だ。地域に任せるのであれば、学校と指導者が情報を共有し、すべての生徒が参加できるしくみを整えることが前提となる。
63AとBのどちらの文章でも触れられていることは何か。
- 1指導者を集めることが難しい地域があること
- 2部活動の費用を家庭が負担する必要があること
- 3専門的な技術を持つ人から指導を受けられること
- 4部活動を通して生徒が仲間と協力する力を育てること
答えと解説
答え: 3 専門的な技術を持つ人から指導を受けられること
A は「専門的な指導を受けられる」、B は「経験豊かな指導者から技術を学べる」と書いているので 3 が正答です。1・2・4 は B だけが触れている内容です。
64部活動の指導を地域の人に任せることについて、AとBはどのような立場をとっているか。
- 1Aは賛成しており、Bは利点を認めつつも課題があると考えている。
- 2Aは賛成しており、Bは学校教育の一部なので任せるべきではないと考えている。
- 3Aは教師の負担を理由に慎重であり、Bは生徒の成長のために賛成している。
- 4AもBも、条件を考えずにすぐに進めるべきだと考えている。
答えと解説
答え: 1 Aは賛成しており、Bは利点を認めつつも課題があると考えている。
A は「私はこの流れに賛成だ」と述べています。B は教師の負担軽減や技術を学べる点を認めながら、「任せきり」の危険や指導者・費用の課題を挙げ、しくみを整えることが前提だとしています。したがって 1 が正答です。B は任せること自体には反対していないので 2 は誤りです。
問題12 主張理解(長文)
次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
かつて、豊かさとは物を持つことと同じ意味だった。車を買い、家を建て、家電をそろえる。所有する物が増えるほど暮らしは便利になり、それがそのまま生活の向上を示していた。持ち物の多さは、努力が報われた証でもあったのである。
ところが近年、こうした考え方に変化が見られる。車は必要なときだけ借りればよい、服は月ごとに借り替えればよい、仕事場も一人で構える必要はない。物を所有せず、他人と共有して使う暮らし方が広がりつつある。その背景には、いくつかの事情が重なっている。インターネットを通じて、貸したい人と借りたい人とが簡単につながれるようになったこと。都市部の住まいが狭く、物を置く場所が限られていること。そして、大量に作って大量に捨てる生活への反省から、資源を無駄にしたくないと考える人が増えたことである。
共有の利点は明らかだ。一台の車を多くの人が使えば、その分だけ作られる車は少なくて済む。買うよりも安く、置き場所や手入れに頭を悩ませることもない。使わない間、物を家の中で眠らせておくこともない。持たない暮らしは、身軽で合理的な選択に見える。
しかし、私はこの流れを手放しで歓迎する気にはなれない。物を持つことには、便利さだけでは説明できない意味があったと思うからだ。長年使い込んだ道具には、手になじむ感覚や、それを使ってきた日々の記憶が刻まれている。自分の物だからこそ、人は修理して使い続けようとし、愛着を育てていく。必要なときに借りて返すだけの関係では、物との間にこうした時間が積み重なることはない。
また、共有の仕組みは、それを提供する事業者のあり方に左右される。料金が上がったり、サービスが終わったりすれば、利用者は使い慣れた物を突然失うことになる。何も持たないということは、身軽であると同時に、他者の都合に暮らしを預けることでもあるのだ。
とはいえ、私は所有の時代に戻るべきだと言いたいのではない。持ち物の多さで豊かさを測る考え方が、多くの無駄を生んできたことも事実である。買ったものの、ほとんど使われないまま押し入れにしまわれている物も少なくない。大切なのは、所有か共有かの二者択一ではなく、何を自分の物として持ち続け、何を他人と分け合うかを、一人一人が考えて選ぶことだろう。共有が広がった今、問われているのは、物とのつきあい方を通して、自分にとって何が豊かさなのかを見つめ直すことなのである。
65「物との間にこうした時間が積み重なることはない」とあるが、どういうことか。
- 1借りた物には返す期限があるので、長い時間使うことができないということ
- 2借りて返すだけでは、物に対する記憶や愛着が生まれにくいということ
- 3共有される物は傷みやすく、修理に時間がかかるということ
- 4物を借りる手続きに時間がかかり、すぐには使えないということ
答えと解説
答え: 2 借りて返すだけでは、物に対する記憶や愛着が生まれにくいということ
「こうした時間」は、直前の、使い込んだ道具に「日々の記憶が刻まれ」、修理しながら「愛着を育てていく」ことを指します。借りて返すだけではそれが生まれないという意味なので 2 が正答です。1・3・4 は本文の内容と関係がありません。
66筆者によると、物を共有する暮らし方が広がった背景にあるのはどれか。
- 1物を持つことが、努力の証だと考えられるようになったこと
- 2事業者が、物を貸す料金を以前より大幅に下げたこと
- 3都市部の住まいが広くなり、物を置く必要がなくなったこと
- 4資源を無駄にしないことを大切に考える人が増えたこと
答えと解説
答え: 4 資源を無駄にしないことを大切に考える人が増えたこと
第2段落に、背景の一つとして「資源を無駄にしたくないと考える人が増えたこと」が挙げられているので 4 が正答です。都市部の住まいは「狭く」なっているので 3 は逆です。1 は以前の考え方で、2 は書かれていません。
67共有の仕組みについて、筆者が指摘している問題点はどれか。
- 1事業者の事情によって、使っていた物が使えなくなるおそれがあること
- 2多くの人が同じ物を使うため、作られる物の数が増えてしまうこと
- 3借りる料金が高く、買うよりも費用がかかってしまうこと
- 4インターネットを使えない人は、物を借りることができないこと
答えと解説
答え: 1 事業者の事情によって、使っていた物が使えなくなるおそれがあること
第5段落に「料金が上がったり、サービスが終わったりすれば、利用者は使い慣れた物を突然失う」とあるので 1 が正答です。共有すれば作られる物は「少なくて済む」ので 2 は逆、「買うよりも安く」とあるので 3 も逆です。4 は書かれていません。
68この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
- 1物を共有する暮らしは合理的なので、さらに広げていくべきだ。
- 2物への愛着を大切にするため、所有の時代に戻るべきだ。
- 3何を持ち何を分け合うかを選ぶことで、豊かさを考え直すべきだ。
- 4共有には問題が多いので、事業者がもっと責任を持つべきだ。
答えと解説
答え: 3 何を持ち何を分け合うかを選ぶことで、豊かさを考え直すべきだ。
最後の段落で、所有か共有かではなく「何を自分の物として持ち続け、何を他人と分け合うかを、一人一人が考えて選ぶこと」が大切で、「自分にとって何が豊かさなのかを見つめ直すこと」が問われていると述べているので 3 が正答です。筆者は共有を「手放しで歓迎する気にはなれない」とし、「所有の時代に戻るべきだと言いたいのではない」とも述べているので、1 と 2 は誤りです。4 のような主張はしていません。
問題13 情報検索
次の案内を見て、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
下期 社内研修のご案内
人事部 人材開発課
下期の社内研修を下記のとおり実施します。受講を希望する方は、「受講条件」と「申込方法」をよく確認のうえ、お申し込みください。
| 研修名 | 対象者 | 日程 | 定員 | 申込締切 |
|---|---|---|---|---|
| A 新任管理職研修 | 今年度に課長になった社員 | 11月6日(金)・7日(土)の2日間 | 20名 | 10月16日(金) |
| B 実践プレゼンテーション | 入社3年目以上の社員 | 11月12日(木)13:00〜17:00 | 15名 | 10月23日(金) |
| C 英文ビジネスメール | 全社員 | 11月19日〜12月10日の毎週木曜 18:00〜19:30(全4回) | 25名 | 10月30日(金) |
| D データ分析入門 | 入社2年目以上の社員 | 12月3日(木)9:30〜17:00 | 20名 | 11月13日(金) |
| E 後輩指導の基本 | 入社5年目以上で、後輩の指導を担当している社員 | 12月11日(金)13:00〜17:00 | 15名 | 11月20日(金) |
受講条件
- 受講には所属長の承認が必要です。申し込む前に、必ず所属長に相談してください。
- 下期に受講できるのは、一人2つまでです。
- C は、全4回すべてに出席できる方に限ります。
- D は、表計算ソフトの基本操作(関数の入力、グラフの作成)ができることが条件です。
- 申込者が定員を超えた場合は、締切後に抽選を行い、締切の3日後までに結果をメールでお知らせします。
申込方法
- 社内ポータルの「研修申込」ページで、申込書に必要事項を入力してください。
- 申込書の「承認者」欄には、承認を得た所属長の名前を入力してください。承認者の欄が空いている申込書は受け付けません。
- 申込書を送信すると、受付完了のメールが届きます。届かない場合は、人材開発課(内線2481)までご連絡ください。
※ 研修の時間は勤務時間として扱います。C は勤務時間外に行うため、受講した時間分の手当を支給します。
69佐藤さんは入社4年目の社員で、後輩の指導は担当していない。表計算ソフトはほとんど使ったことがない。また、11月19日は出張のため研修に参加できない。佐藤さんが受けられる研修はどれか。
- 1B と C
- 2B と D
- 3C だけ
- 4B だけ
答えと解説
答え: 4 B だけ
B は入社3年目以上なので受けられます。C は全4回の出席が条件ですが、初回の11月19日に参加できません。D は表計算ソフトの基本操作が条件、E は入社5年目以上で後輩指導の担当者が対象、A は新任の課長が対象です。したがって 4 が正答です。
70研修に申し込むとき、しなければならないことは何か。
- 1所属長に申込書を送ってもらい、そのあと人材開発課に電話で連絡する。
- 2所属長に相談して承認を得てから、ポータルで申込書を送信する。
- 3ポータルで申込書を送信したあと、抽選の結果を所属長に伝える。
- 4受付完了のメールを受け取ったら、内線で人材開発課に知らせる。
答えと解説
答え: 2 所属長に相談して承認を得てから、ポータルで申込書を送信する。
「申し込む前に、必ず所属長に相談してください」とあり、申込書には承認を得た所属長の名前を入れてポータルから送信するので 2 が正答です。申込書は本人が送ります。内線で連絡するのはメールが届かない場合だけなので 4 は誤りです。1 と 3 のような手続きはありません。
正答表
- 12
- 24
- 31
- 43
- 51
- 64
- 73
- 82
- 94
- 101
- 112
- 123
- 134
- 141
- 153
- 162
- 174
- 181
- 192
- 203
- 214
- 221
- 232
- 244
- 253
- 262
- 274
- 281
- 293
- 302
- 311
- 324
- 333
- 341
- 354
- 363
- 372
- 384
- 391
- 403
- 412
- 421
- 434
- 442
- 453
- 462
- 474
- 481
- 493
- 503
- 511
- 524
- 532
- 544
- 551
- 563
- 572
- 584
- 591
- 603
- 612
- 624
- 633
- 641
- 652
- 664
- 671
- 683
- 694
- 702
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